5.18 ワイルダー、PBCでV9戦

　WBC(世界ボクシング評議会)ヘビー級王者デオンタイ・ワイルダー(米国)の次戦が、WBC同級4位のドミニク・ブラジール(米国)を相手に9度目の防衛戦を行うことが決定した。5月18日(日本時間19日)米国・ニューヨーク・ブルックリンのバークレイズ・センターで開催される。

　PBC(プレミアム・ボクシング・チャンピオンズ)と放映権契約を結んでいるワイルダーは昨年12月に、元ヘビー級統一王者のタイソン・ヒューリー(英国)を相手に大苦戦。最終回にダウンを奪い劇的な三者三様のドローの激戦を演じた。その後、両者の再戦が決定的と見られたが、直前にヒューリーがトップランク社&スポーツ・ケーブル局のESPNと複数年の大型契約を結び、放送局の違う両選手のリマッチは頓挫することになった。
　そこに割って入ってきたのがマッチルーム・ボクシングUSAとストリーミング配信サービスDAZNの巨額オファーだ。マッチルーム・ボクシングUSA&DAZNは3試合1億ドル(約110億円)でワイルダー陣営に交渉。DAZNのトップであるジョン・スキッパー会長もミーティングに参加し一時はワイルダーの放送局移籍が現実味を帯びた。
   しかし、代理人でPBCのトップでもあるアル・ヘイモン氏、マネージャーのシェリー・フィンケル氏との話し合いの末にこのオファーを蹴ったワイルダー陣営は、ブラジールとのWBC指名戦をPBCとプレミアム・ケーブル局のSHOWTIMEで行うことを決断した。

　ブラジールにとっても揺れ動いた末の世界再挑戦となった。当初、ブラジールはワイルダーvsフューリーのリマッチが決まることを前提に、WBCの同級暫定王座決定戦を1位のディリアン・ホワイト(英国)と行う予定だった。しかし、正規王座の交渉決裂によりWBCはブラジールを指名挑戦者として王者側にオーダーされることになった。
　ニューヨークでは6月1日(日本時間2日)にWBA(世界ボクシング協会)&IBF(国際ボクシング連盟)&WBO(世界ボクシング機構)ヘビー級王者のアンソニー・ジョシュア(英国)vs挑戦者ジャレル・ミラー(米国)の同級3冠戦もマンハッタンのマジソン・スクエア・ガーデンで開催される。ヘビー級の世界戦線が今後、ニューヨークを中心に慌ただしくなっていきそうだ。