那須川天心! 決まれば井上拓真と戦う!

　オープニングの鏡開き後、囲み取材に応じた那須川は、「人間、皆仲良くしていこうというのがテーマ。今の時代、SNSで言い合ったり、暗いニュースが多い。外に出て体を動かすことが大事でそのキッカケになればいいと思った」とイベントの趣旨を説明。

予算はファイトマネーの半分(数千万円)

　「1試合のファイトマネーの半分くらい、数千万円の予算がかかっていて100%赤字だと思う。でも、皆に楽しんでもらいたいからやった。その代わり、僕の応援に来てもらえたらうれしい」と笑顔を見せた。

　WBC・IBF世界バンタム級統一王者の中谷潤人(27=M.T)が8月上旬、囲み取材で保持している2本のベルトを返上することを明言。ランキング1位の那須川はタイトル戦に向けた準備が整いつつある。

　最新のWBCランキングでは、井上拓真(29=大橋)が2位に浮上し、那須川との対戦の可能性が高まっている。那須川は「返上するので、世界のベルトを獲るのは必然。(井上選手とは)いつでもやりますよ!」と気持ちを高め、世界挑戦へ意欲を示した。

　また、那須川は世界チャンピオンになった先の展望についても言及。「ベルトを獲ったからといって、ずっと同じ階級にいるとは限らない」と積極的な階級アップの意欲を明らかにした。

　近年のリング禍についても考えを示した。今年8月の試合で急性硬膜下血種で開頭手術を受けて亡くなった神足茂利さん(享年28)と浦川大将さん(享年28)、そして今年5月の試合で急性硬膜下血種で開頭手術を受けて、現在は熊本市内の病院でリハビリ中の重岡銀次朗(25)の例に触れ、「こうなることも理解しながら、全員が気を引き締めていかないといけない。これで終わらせてはいけない」と強調。「JBC(日本ボクシングコミッションだけが決めるのではなく、格闘技全体のトップ選手が集まって(安全対策)のミーティングをするべき」と提言した。

　「天心祭」は今、流行りのフェスとは異なり、町のお祭りのような雰囲気で構成されている。にぎやかな出店やステージイベント、応援ブースなどが設置され、1日中楽しめる内容となっている。両日とも午後7時30分まで行われ、トークショーやカラオケ大会、盆踊りなど多彩なプログラムも開催される。

　那須川は、最初から最後までフル参加して祭りを盛り上げ、地域住民やファンとの交流を深める。