[電話取材]2025.1.26
激闘から2日。佐々木尽が倒せなかった理由を分析。

OPBF東洋太平洋・WBOアジアパシフィック・ウェルター級王者の佐々木尽(23=八王子中屋)が26日、電話取材に快く応じ、「(皆さんに)メッセージを返すくらいで、何もしていないです。昨日も8時間寝て、食事の際だけ外に出る生活。左目下の腫れが予想以上にひどく、外出時はサングラスをかけています」と語った。
激闘を繰り広げた元日本ウェルター級王者の坂井祥紀(34=横浜光)との試合から2日が経過、佐々木は「試合映像は3回見た」と話し、KOに至らなかった理由について冷静に分析し、自身の心境を改めて振り返った。
佐々木は「倒そうとする姿勢は見せられたが、坂井選手がタフでディフェンスが上手かった。効いたと思うが、ガードを下げなかった。それならボディで倒そうと思って打ち続けたが、気持ちの強さはこれまで戦った選手で一番だった。戦いにくいポジションを取られてしまい、自分の攻撃が単調になりがちだった。もっと攻撃パターンを増やしていかないといけない」と反省の言葉を並べた。
試合前には、「面白い試合をして盛り上げたい。倒して勝つことしか考えていない」とKO勝利に自信を見せていた佐々木だが、試合結果について「勝ったのに負けたような気持ちで、ずっとモヤモヤしている。やっぱり倒さないと勝った感じがしない。試合が終わったのに気持ちがスッキリしないというか」と素直な胸の内を明かした。
それでも12ラウンドをフルに戦い抜き、スタミナを証明した。「倒せなかったが、次に向けて良い経験になった。伸びしろがあると思っている。次に期待していてください」と力強く語った。
試合後、佐々木はリング上で、「俺は日本人史上初の世界ウェルター級チャンピオンになる男だ。世界チャンピオンたち、俺と戦おう。勝てる自信しかない。俺は逃げも隠れもしないから今すぐやろう!」と英語でスピーチし、世界チャンピオンへの挑戦をアピールした。
佐々木はIBF(国際ボクシング連盟)王者のジャロン・エニス(27=米)に触れ、「どのチャンピオンも意識しているが、一番やりたいのはエニス。なぜなら彼が一番強いから」と意欲を示した。
エニスは、現地時間の4月12日(土)に、米国アトランテックシティでWBA(世界ボクシング協会)同級王者のエイマンタス・スタニューニス(30=リトアニア)との王座統一戦を控えているため、佐々木がエニスと対戦するには時間がかかりそうだ。「自分の最終目標は、ウェルター級の統一チャンピオン。その階級で一番強いと言われるエニスとは最後にできれば」と力を込めた。
「最終目標はウェルター級統一王者」
佐々木が早く世界戦に臨むためには、WBC(世界ボクシング評議会)王者のマリオ・バリオス(29=米)やWBO(世界ボクシング機構)王者のブライアン・ノーマンJr(24=米)への挑戦が良さそうだ。「ノーマン選手とは年齢が近いので、決まればより負けれれない気持ちが強い」と話した。
昨年12月のインタビューで、「7月28日が24歳の誕生日なので、それまでになりたい。ユース世代で世界チャンピオンになりたい」と語っていたが、その思いはブレていない。「世界戦の話が来たらすぐにやりたい。ただ、今のままではダメ。まだまだ強くなりますよ!」と語った。
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