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[電話取材]2021.2.17

本石昌也会長は常に挑む!

 毎回どちらが勝つかわからない「ヒリヒリするカード」を提供してくれるのがグリーンツダジム主催の『CRASH BOXING』だ。この興行の特徴はタイトルマッチに限らず、ノンタイトル戦も注目を集めることが多い点だ。

 自主興行の利を生かせば、我が子のごとく手塩にかけた選手を勝たせるマッチメイクも可能だが選手育成の本筋はそこにない。グリーンツダの選手の試合が「ガチンコ中のガチンコ」と言われる所以だ。選手の技術力、現在地と正面から向き合った上で、その選手と同等か少し格上選手をぶつける。リングの上で小さな成功体験を積み重ねていくことが、大きなチャレンジへの近道となることを本石昌也会長は知っている。そうやって、選手と二人三脚で歩んできた。「選手を信じるしかない」。近道で勝たなければ、進む道はもっと険しくなる。チャンスに応えるのは選手の仕事。「少数精鋭でいい。本気のやつが欲しい」は本石会長の口癖だ。

 プロモーターは「この試合が観たい」という好カードを提供しなければならない。バロメーターは対戦カードを見たファンの心が躍るかどうか。歯が立たない相手と試合をしては、自分の選手が潰れてしまう。でも、チケットが売れない試合は組めない。そのバランス加減が非常に難しい。

 「CRASH BOXING」ではグリーンツダの看板選手が負けることも少なくない。本石昌也会長にマッチメイクの極意を聞いた。

「選手にも挑む気持ちを持ってほしい」
 「自分で試合を組んでいる」という本石会長は「全試合負ける可能性もあるな、と思うこともあるし、周りからも『よくこんな試合を決めたな』と多々言われる」。それでも「人生は常に『挑戦』だと思いながら生きている。うちの選手にもボクシングだけではなく、人生においても挑む気持ちを持ってほしい。だから自然とそのようなマッチメイクになっている。半分は挑ませたい。残りの半分は僕が見たいな、という思いで組んでいる」と語った。
ジム全体のレベルアップを狙う
 「試合を決めてから自分でも不安で怖くなっていくが、自分自身の成長でもある。選手が勝つためにいろいろなことを考えて選手と話し合っていく」。「僕は週に3回朝練習に行っているが、絶対にさぼらない。気持ちを入れてしっかりと走らせている。試合が決まった選手だけでなく、ジム全体の底上げにもなる」と効果を実感している。
昨年12月のCrash Boxing
 昨年12月の興行では、2枚看板の元日本ウェルター級王者の矢田良太(31)と元日本スーパーフライ級王者の奥本貴之(29)が敗れるという波乱が起きた。ジムとしても大きな痛手だが「負けることを受け止める覚悟はしている。4回戦の選手にも負けることもあると見せているつもり。ただ、負けたからもうあかんな、という目線では絶対に見ない。負けてここから強くなるところだぞ、と期待をかける」。
「良い試合を見せてほしい」
 選手層が厚いグリーンツダジムにおいて、毎回超満員で盛り上がりを見せる「CRASH BOXING」に出場することはモチベーションになっている。「一番は良い試合をするかどうか。お客様やスポンサーが喜んでくれるかで出る選手を決めている。基本的には勝っている選手を出すが、負けていても良い試合を見せたら『次はCRASHに出すぞ』と言っている」。次が待ち遠しい!

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