試合日程 | 試合結果 | 動画ニュース | ランキング | 選手検索 |
WBC(世界ボクシング評議会)ミニマム級チャンピオンの重岡優大(26=ワタナベ)が19日、都内のワタナベジムで、報道陣に練習を公開した。優大は、3月31日(日)に名古屋国際会議場で、挑戦者で同級6位のメルビン・ジェルサエム(30=比)を相手に、2度目の防衛戦を迎える。
練習前の会見で、「いいトレーニングができた。荒削りな部分を丁寧に、ちょっとずつですが改善できてる。手応えがある。『ボクシングスタイルが変わったな』っと感じてもらえたらいい。毎試合、俺も弟もレベルアップしてるのを感じてる」と、技術面の改善に自信を示した。具体的には、『試合を見てのお楽しみ』とのことだったが、「アグレッシブ、KOを狙う姿勢は、気持ちが直結するので残していきたい。楽しんで見てもらえれば…」とファンに呼びかけた。
2月から127ラウンドのスパーリングを消化したという優大は、「スパーリングもフィジカルも走る距離も増やした」と、ボリュームアップした練習を振り返った。
ABEMAの独占無料ライブ配信となった今月末の「3150 FIGHT」興行。亀田興毅ファウンダーが「優大がメインイベント」と発表すると、少し表情を緩めた優大だったが、「深くは考えてないです。メインとして恥ずかしくない試合をする」と、関係者の期待に応える覚悟を示した。練習後の囲み取材では「俺と銀(弟・銀次朗)が試合をする時点で、価値がある。PPV じゃなくなって、みんなに見てもらえてよかった。ハナからメインの気持ちでやるつもりだった。仕事して見せます」と、力強いコメントも聞くことができた。
WBA世界ミニマム級14位のジョン・マイケル・ズレタ(28=比)を相手に、スパーリングも3ラウンド公開。ガードの後の返しの右フックと、勢いのある左ストレートが光った。
サンドバッグも大きく揺らした優大。左ストレートの威力は、ここでも十分アピールされた。
一昨日に永眠した坂間叶夢(享年20=ワールドS)とは、2月にスパーリングをしていた優大、「そんじょそこらのやつじゃ勝てない。前半にスパーリングを(坂間と)やらせてもらって、エンジンをかけた」と取材に答えていたが、亡くなったことを伝え聞くと、目頭を熱くし、「人はどっかで、何かを抱えてる。ボクシングは孤独なスポーツ。減量は本当に孤独で、心も持っていかれる。(坂間は)そんじょそこらのボクサーとは違う。気づかなかった。『勝つんだろうな』としか思ってなかった。彼のことを忘れない。間違いなく世話になったボクサー」と絶句した。
会見に同席した町田主計トレーナーは「調整も減量も上手くなっている」と切り出すと、「テクニカルな部分。優大らしさも残している。試合を待つだけ」と、優大の成長に大きな手応えを掴んだ様子で、笑顔で太鼓判を押した。
挑戦者のジェルサエム対策のため、谷口将隆(30=ワタナベ)とオスカー・コラーゾ(27=米国)の試合の映像を確認したという町田トレーナーは、前半のスピードに警戒感を示した。
優大の成長を見守ってきた渡辺均会長は、「きつい練習が終わったので、後は最終調整をするだけ。右のジャブに気をつけるだけ。強弱つけることができるようになったので、長丁場の試合ができる。(重岡)兄弟の成長を見てもらう試合になる」と、3月31日の重岡兄弟の活躍を期待した。