ボクモバPPVライブ放送
ボクモバ初のライブ放送!配信開始 17:30!
技術解説員は木村悠!
木村悠が技術解説員
 ボクモバPPV初のライブ配信!11月11日(土)は後楽園ホールの試合を17:30から生配信!

■技術解説員:木村悠
■聞き手:やすおかだいご
■ゲスト:京口紘人(ワタナベ)
■ゲスト:木村翔(青木)
ゲバラと木村悠
勝つためのストーリー戦略とは!?

 リングの上では勝敗がハッキリ分かれます。どんなに練習をしてきたとしても必ず勝てるとは限りません。ボクシングに絶対に勝てるという方法は存在しませんが、勝ちやすくするための考え方や勝ちパターンは存在します。一線級の選手達は自分のスタイルに合った「勝利の方程式」を持っています。では、勝率が高い選手と勝ち星に恵まれない選手の違いはどこにあるのでしょうか。

■理想的な勝ちパターンの組み立て

 試合中は考える暇もなく次から次へと展開が進んでいきます。何も準備をしないで流れに身を任せていると、相手にペースを握られて自分のボクシングができません。

 試合で勝つには、理想的な勝ちパターンを持っておくことが大切です。そのためには、勝ちストーリーを作ること。自分の理想的な勝ちパターンに向けて試合をどう組み立てていくかが非常に重要になります。もちろん、一発当ててKOで勝つことが理想ではありますが、誰もが井上尚弥(大橋)や村田諒太(帝拳)のようにパンチが強いわけではありません。

■勝つためのストーリーを作れ

 勝ちストーリーのカギは試合の組み立て方にあります。自分の特徴を分析した上で、試合を優位に進めるための試合展開を作っておきます。

 私の場合だと、ハッキリ言って一発で倒せるパンチ力はありませんでした。でも、防御の勘は良かった。そこで考えた理想的な勝ちパターンは『パンチをもらわないでポイントを稼いで判定で勝つ!』というスタイルでした。そりゃー、バンバン倒すモンスター井上のようなスタイルには憧れましたよ…

■ストーリーを立てておくことで迷いなく戦える

 どのようなストーリーを作るか。まず、全体の大きなテーマとして試合の戦略を立てます。

【戦略】パンチをもらわないでペースを握り相手を消耗させて判定勝ち!

【展開】ラウンドを3つに分ける!
※世界戦の場合は、前半の4R、中盤の4R、後半の4Rに分けて、勝つためのストーリーを作ります。WBC(世界ボクシング評議会)は公開採点を採用しているので、4Rと8R終了時に途中経過を知ることができます。

[前半]足を使ったアウトボックスでペースを握る。
[中盤]相手の動きも読めてくるのでボデイを打って弱らせる。
[後半]ボディで弱らせた相手に対して前に出て圧力をかけてポイントを取る。

■一番のポイントは、ズバリ、勝利から逆算して考えること。

 行き当たりばったりの積み上げ方式の戦い方ではなく、勝利から逆算することで自分の勝ちたいイメージに近づけることができます。
もちろん試合になると状況も変わり臨機応変に動いていかないといけません。

 先日のトリプル世界戦で行われた、WBCライトフライ級タイトルマッチを例に挙げると、4ラウンド終了時の途中採点が出た時に、チャンピオンの拳四朗(BMB)が挑戦者のペドロ・ゲバラ(メキシコ)にポイントでリードされていました。これを受けて、拳四朗のジャブ・ワンツーを基点とした戦い方は、ジャッジに評価されていないことに気づきます。そのため、チャンピオン陣営は作戦を変更して、ボディを中心に攻める戦い方にシフトしました。前半に飛ばしていたゲバラは、中盤にボディを打たれたことで、試合の後半には動きも落ちていきました。結果的に作戦変更が功を奏して逆転の判定勝ちで初防衛を果たしました。

 試合になると、勝利というゴールを掴むために状況に合わせて戦い方も変化させていく必要があります。勝つというゴールに向けて、ストーリーの引き出しを複数持って置くことで、より幅広い戦い方ができます。

※引き出しについてはまた違うコラムで書きますのでお楽しみに。

 ストーリーを立てておくことでゴールまでの道筋が明確になり、迷いなく戦えます。勝利の方程式がきちんと確立されていれば、試合中に何をすればよいのかが明確になるため、格段に戦いやすくなるでしょう。

 ぜひ参考にしてみてください。
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