■そんなことはないですよ。自覚が出てきたということだと思います。その中で決まった日本ユースタイトルの防衛戦ですが。
北野 相手もバッチリ気合いを入れてくると思います。自分が持っているものを全部奪いにくるのでその気持ちをさらに上回りたい。
空回りしないこと
■改めて、松本選手の印象を教えてください。
北野 映像を見て、やりにくいタイプだなと思いました。独特の間を持っています。そこに翻弄されずにしっかりと自分の動きを出していきたい。ただ、空回りしないように力をつけて戦います。最後までドロドロの打ち合いになるかもしれない。そのくらい気持ちが強い選手だと思います。
■打ち合いですか?
北野 松本選手は気持ちが乗っているので、そんなに簡単に倒せる相手ではないと思っています。最後は気持ちの勝負になってくると思います。打ち勝ちって最後は気持ちを折りたい。
最後は気持ちを折る
■北野選手の雰囲気が変わったなと思うのが、全日本新人王決定戦で、坂田一颯選手(S&K)と引き分けた試合かなと思います。
北野 あの試合でボクシングへの考え方が変わりました。全日本新人王のタイトルを獲りたかった。あの時の気持ちは忘れないです。
■引き分けですが、敗者扱いで。
北野 負けですね。引き分けではなく、負けたと思うようにしています。周りにも負けたと言っています。
■北野選手の理想のボクシングを教えてください。
北野 やっぱり打たせないで打つことです。
■現在、日本ランキング3位です。
北野 どこにいくかはわからないですが、上のタイトルを意識しています。いずれ、全部獲りたいです。なんか格好良くないですか。石井さんが返上して、森さん(森且貴)が日本チャンピオンになった後、返上したら全部獲りたら。
※7月1日の取材時のランキング、8月5日発表で日本5位となっている。
■では、最後に試合への意気込みをお願いします。
北野 空回りしないように気をつけて、気持ちを見せて勝ちを取りにいきます。
「ボクモバの目」
若きホープとして日本ユース王座を獲得し、さらに世界ランカーに名を連ねるまで成長を遂げた北野。全日本新人王決定戦で勝ち切れなかった悔しさを胸に秘めて、心身を磨いている。強い気持ちで挑んでくる松本に対し、力の差を見せることはできるか?
<取材・構成/やすおかだいご>
<写真/YUSUKE・Bobby・Nakasuke>