■流れが来ていますね。
長谷部 周りからもそう言ってもらうのですが、1試合勝っただけなので。連勝しているわけではない。次戦に勝ったら波に乗れると思います。
■4月は、三迫ジムの選手はタイトルマッチが多いですね。
長谷部 はい。自分と同じ時期にタイトルマッチがたくさん入っていて、ジム全体に気合いが入っています。その中に自分が加わっているのがうれしいです。すごいタイミングで決まったと。2年前は試合すらできなかったですから、去年の今頃は想像もしていなかった。
■同じ日に藤田炎村選手もタイトルマッチに挑みます。
長谷部 2本ともベルトを持ち帰れたら、これ以上のことはないです。なんとしても成し遂げたい。椎野さん(椎野大輝トレーナー)の担当選手がどんどんチャンピオンになっていき、気が休まらないようにしたいです(笑)。椎野組は、全部負けてもおかしくないくらい、強い相手との連戦です。椎野さんは「気が休まらないよ」と言っていましたが、楽しみでもあると思うのです。全勝したらチームとしてジムとして、さらにレベルが上がると思いますし、もっと良い流れになると思います。
三迫ジムで一からここまできた
■三迫ジム叩き上げボクサーとしての意地もあると思います。
長谷部 そうなんですよ。アマチュア出身や移籍してきた選手がチャンピオンになる中で、三迫ジムで一からボクシングを始めた選手がチャンピオンになることにこだわりたいし、証明したいです。これは自分の中でモチベーションの一つです。
■当日は、どのような試合を見せたいですか?
長谷部 今回に限っては勝利が絶対。内容が良くないと勝ちを手繰り寄せられませんが、何としても勝ちがほしい。そして、キツい時に支えてくれた人たちに恩返しできる試合を見せたい。感動してもらい、その上でベルトを獲ります。皆さんの元にベルトを持って帰ります。
■どうもありがとうございました。
「ボクモバの目」
この試合への思いを熱く語った長谷部はベルト奪取を固く誓った。三迫ジムの黄金期が続くが、今の状況になる前からいたのが長谷部だ。これまで決して陽が当たる舞台に立っていたわけではないが、この日のために拳を磨いてきた。高田もそれは同じだ。2人の覚悟がぶつかり合うミニマム級王座戦。絶対に見逃してはいけない。
<取材・構成/やすおかだいご>
<写真/>Kishimoto・Bobby>