■桑原選手が上回っているなと思うところは?
桑原 スピードと足捌き、テクニックですね。そこは、負けていないと思います。パワーでは負けているので、スピードvsパワーの構図になるんじゃないかなと思っています。

■勝つにはあの重厚なプレスを10ラウンドにわたり捌き切らないといけません。
桑原 それをしないとチャンピオンになることができない。相手のプレスが強いのでそれにどのように対応するか。

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■あの強烈なボディブローにも注意が必要です。
桑原 そうですね。距離で外して打たせなければ隙が生まれるので、何かできるかなと思います。

■同じ大学の寮で同部屋だった鈴木雅弘選手(角海老宝石)が日本王座に挑戦します。
※取材日が6月8日で、鈴木は6月10日に日本王座を獲得。その後、同王座を返上。
桑原 明後日ですよね? 応援に行きたいなと思いましたが、スパーリングが入っているので、行けないのですがベルトを獲ってほしいです。雅はなぜ、全国大会で優勝できなかったのかと思うくらいの強さで無冠の帝王なのです。リーグ戦でも負けた試合もありましたが、どの試合も勝っていてもおかしくない試合でした。明後日は、普通に獲ると思います。先にベルトを獲ってくれて、勢いをつけてほしい。
※鈴木雅弘(角海老宝石=前日本スーパーライト級王者)

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■フライ級では、大学の先輩の山内涼太選手がWBOアジアパシフィック王者ですね。
桑原 涼太さんには、大学時代にスパーリングの時にボディブローでよく落とされていました。パンチ力がえげつないです。側から見ているとわかりにくいと思いますが、実際に対峙してパンチをもらうとすごいパンチ力です。
※山内涼太(角海老宝石=WBOアジアパシフィック・フライ級王者)

■桑原選手は、世界チャンピオンを夢見て中学、高校、大学とボクシング漬けの生活で今があります。そこのプライドはあると思いますが。
桑原 もちろんです。高校は男子校ですからね。青春のすべてをボクシングに捧げてきました。アマチュアは、センスだけで勝ち上がれるほど甘い世界ではない。アマでトップを獲る選手は、すごい練習をして辛いことを乗り越えてじゃないと頂点になれないのです。

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■その通りです。
桑原 そういう意味では、アマチュアの選手こそ叩き上げじゃないかなと思います。強い選手がたくさんいる中でやっていただけで、それがアマエリートって言葉で片づけてほしくない思いはあります。

■同門の中嶋一輝選手もアマチュアで実績を積みプロに転向してチャンピオンになりました。中嶋選手とは年齢は近いのでしょうか?
桑原 はい。中嶋さんの方が2つ上です。よく話もしますし、タイトルマッチが決まった時は、「お互いにベルトを獲ろうぜ」と言われました。中嶋さんはサクッとベルトを獲ってくれるかと思ったのですが、そこはやはりタイトルマッチ。ピンチもあったし、そう甘くはないなと思いました。あの試合を見てすごく刺激を受けましたし、タイトル戦の厳しさを感じました。
※中嶋は5月21日に千葉開(横浜光)との王座決定戦を制し、OPBF東洋太平洋バンタム級王者に就いた。

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