■どのあたりに付け入る隙がありそうですか。
中谷 パンチ力は特別にあるとは思わないし、一撃の怖さは感じられないので、そんなところにこちらの活路があるんじゃないかと。
■では、中谷選手のアドバンテージは。
中谷 体の大きさと距離、ロングレンジで戦える点です。でも、それは僕の長所であり短所でもあるんですよ。ロマチェンコとすれば遠い距離はしんどいかもしれないけれど、懐に入れば得意のボクシングができるので有利でしょうね。だから僕とすれば自分の距離と体の強さ、それにパンチ力を生かして戦いたいですね。
■中谷選手が最も自信を持っているパンチは?
中谷 どのパンチも強いと思うけれど、一番は右ストレートと左ボディブローですかね。当たれば倒せます。
■ロマチェンコ戦でカギになるパンチを挙げるとすれば。
中谷 左ボディブローですね。僕が自信を持っているパンチなので、それを打っていきたいですね。
■理想の展開、最悪の展開のイメージはありますか。
中谷 理想は、ロマチェンコがある程度は警戒してくれて僕の距離で戦う時間が長い…。そういうラウンドが増えていけば僕は楽ですね。最悪は、ロマチェンコが1ラウンドからポイントを取りに来て、僕が懐に入らせないようにするけれど入られてしまう。それがイヤな展開だと思っています。
■どちらのイメージで練習しているのでしょうか。
中谷 最悪の展開を考えてトレーニングしています。楽な展開はチョロっと練習すれば体はしんどくないので。でも、しんどい展開は戦略がないと打破できない、抜け出せないんです。だから先にしんどい練習からやっています。
■これで3試合続けてラスベガスで大物との対戦になります。
中谷 日本でやろうとアメリカでやろうと別に大したことないですよ。僕自身、それが少し寂しい点でもあるんです。本来ならばテンションが上がるところだと思うんですが、僕はそういうのを感じられないので。
■でも、今回は有観客の試合になりそうです。
中谷 もともと僕は会場は見ないので変わりないんじゃないですかね。見ると気が散るんです。リングに入ったら相手だけを見て、外野は視界に入れないようにしています。試合が終わってから周囲のことに気づける感じです。
■それでもモチベーションは一段と高いものがあるのでは?
中谷 いつもと同じです。ただ、挑戦する立場なので気持ちの面では楽ですね。勝てばいいだけなので。これまでは勝ち方も問われることが多かったけれど、今回はどんな内容であっても勝てばいいわけですから。たとえ何度倒れても逆転で最後に勝っていればいいです(笑)。余計なことを考えずに全力でいくだけなので気持ちは楽です。
■どんな試合にしたいと考えていますか。
中谷 前半勝負です。KOという意味ではなく、前半でペースを握れるかどうか、それが勝敗に繋がると思っています。もちろんうまくいけば倒せるかもしれないし、倒せなくても判定で勝てるような組み立てをしていきたいですね。
■試合に向けた自信、意気込みを。
中谷 自信しかありません。ぶっ倒します!