ファン待望のビッグマッチ、WBSS(ワールドボクシング・スーパーシリーズ)バンタム級決勝、WBA・IBF世界バンタム級統一王者の井上尚弥(大橋)vsWBA世界同級スーパー王者ノニト・ドネア(比/米)が、いよいよ11月7日(木)にさいたまスーパーアリーナで行われる。ホームの圧倒的な声援を受け井上が優勝するのか、それとも36歳のレジェンド、5階級制覇王者ドネアが豊富な経験を生かしトーナメントを制するのか――。世紀の一戦はファンならずともボクシング関係者が注目する。

　その中の一人、かつて井上とスパーリングをした元IBF世界スーパーバンタム級王者の小國以載(31=角海老宝石)は、「日本のボクサーは9.5割、井上くんが勝つと言うでしょ。ドネア相手にそう言わせる井上くんのあの領域は凄い!」と舌を巻き、井上の強さを語りつくした。

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■ドネアに勝ったら、もうバンタムに相手はいないでしょうね。
小國 スーパーバンタム級でも今のチャンピオンなら全員に勝てるんじゃないかな。ローマンはパンチがないから無理だし、バルガスもあんな感じなら倒される。ナヴァレッテもガードが低いからもらったら終わりでしょ。
※WBA・IBF統一王者ダニエル・ローマン(米)、WBC王者レイ・バルガス(メキシコ)、WBO王者エマニュエル・ナヴァレッテ(メキシコ)

■フェザー級はどうでしょう?
小國 その辺りですよね。WBA王者のレオ・サンタ・クルス(メキシコ)ならパワー負けしないでしょう。スパーリングパートナーのゼネシス・カシミ・セルバニア(カシミ)が唯一、井上くんの相手になっているんでしょ? あのパワーはスーパーバンタム級ぐらいじゃ止められない。正直ヤバいっすよ。

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■ライト級3団体統一王者のワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)の練習パートナーで、アマチュアのジャフェスリー・ラミド(米)でさえ、井上選手と20回スパーをやって1度ダウン。ロマチェンコにも倒されましたが、約130回やって一度です。
小國 大橋秀行会長に「パウンド・フォー・パウンド1位を超えた」と言わせたんでしょ。だいたい、スパーで倒すってまあないですよ。しかも五輪クラスのアマチュア選手を倒すなんて考えられない。

■ドネアもフェザーの領域を経験しています。
小國 百歩譲ってドネアがフェザーで結果を残していたら期待もできるでしょうけど、ドネアに勝ったウォータースが階級を上げ、スーパーフェザー級でロマチェンコとやってギブアップしたでしょ。ドネアがフェザーを経験したと言っても、ウォータースにパワー負けし、勝てなかったわけですから。逆に井上くんがウォータースとやったら期待感があるでしょ。その差ですよ。
※元WBA世界フェザー級スーパー王者ニコラス・ウォータース(ジャマイカ)

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■ドネアが勝つとしたら?
小國 序盤のKOしかない。ただ、ドネアの父親(ノニト・ドネア・シニア※トレーナー)が「井上の耐久力が分からない」と言っていたように、僕もそう思いますよ。井上くんはパンチをもらってないからね。

■ライトフライ級で最初の世界を獲ったあたりからパンチをもらっていないような気がします。
小國 プロに転向して2年目でしたよね。世界を獲ったあたりはまだスウェーで避けていたんですよ。それがしっかりガードをするようになってからは、ほとんどもらってないんじゃないかな。唯一、攻守の切り替えが雑だったその頃が狙い目だったんでしょうけど、今はまったく穴がない。井上くんに対抗するとしたら、パワー系で圧すしかないでしょうね。

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