日本ボクシング界の"至宝"が満を持して世界3階級制覇のリングに上がる!25日に大田区総合体育館で開催される「FUJI BOXING」でWBA世界バンタム級王者のジェイミー・マクドネル(32=英)に挑む、前WBO世界スーパーフライ級王者の井上尚弥(25=大橋)。圧倒的な強さで7度の防衛を果たした"モンスター"井上は王座統一戦を希望していたが、他団体のチャンピオンたちはこれに応じなかった。
減量苦が囁かれていた井上は、「この階級でやるべきことはない」と日本で最も馴染みのある階級に参戦してきた。試合まで1ヶ月(取材日4月21日)となり、世界各地からパートナーを招聘し実戦練習に臨んだ井上は、モチベーションMaxで決戦に向けて万全を期していた。
■英国人のスパーリングパートナーは、今までのパートナーと比べていかがですか?
井上 今日で3回目だったのですが、2人を相手に8ラウンドの予定だったので、最初は様子を見ました。ヨーロッパ系の選手で手足が長いので、ボディの位置も変わってきます。あの相手をアジア圏内で探すのは無理があるので、新鮮な感じです。ただ、やりにくさは特にないですね。
■ファイティング原田氏から始まり辰吉丈一郎氏、長谷川穂積氏、山中慎介氏がベルトを持っていたバンタム級にいよいよ参戦となりました。日本人にも馴染みの深い階級です。
井上 そうですね。バンタム級から選手の層も変わってくるので面白いですよね。
■減量のキツかったスーパーフライ級からバンタム級に上げました。どのように変わるのでしょうか?
井上 最終調整の段階ではだいぶ違うと思いますよ。バンタム級でやっていないので何とも言えないですが、多少は楽になると思います。
■相手のマクドネルは178cm、リーチが183cmとこれまでに戦ったことのないタイプです。
井上 ここまで身長が高いのは初めてです。後半まで粘り強く戦う印象です。ただ、お互い初めて対戦するのでどうなるかは誰と戦っても一緒ですね。
■ヒリヒリする相手になりそうですか?
井上 まぁ、なるんじゃないですか。ナルバエス戦以来じゃないですか。バンタム級の初戦としては良い相手だと思います。逆にどうですか?
■ナルバエス戦で勝った後に笑顔を見せていましたが、その後の防衛戦では(笑顔が)少ないように見えたので良い相手だと思います。
井上 そうですね。ただ、世界ランカーに勝ってそんなに喜んでいたら情けないじゃないですか。自分よりランキングが下なわけですから。その選手に勝ってワーッと喜んでも…。自分が喜んでいる試合は、6戦目と8戦目ですね。
※6戦目は2014年4月にアドリアン・エルナンデス(メキシコ)を6回TKOで破ってWBC世界ライトフライ級王座を獲得した。
※8戦目は2014年12月にオマール ・ナルバエス(アルゼンチン)を2回KO勝ちでWBO世界スーパーフライ級王座を獲得した。