WBC(世界ボクシング評議会)バンタム級2位の井上拓真(29=大橋)は、11月24日(月・祝)、TOYOTA ARENA TOKYOで開催される「Prime Video Boxing 14」のメインイベントにおいて、同級1位の那須川天心(27=帝拳)と空位のWBC世界バンタム級王座を争う。
昨年10月、堤聖也(29=角海老宝石)に敗れ王座を失った悔しさから1年。井上が選んだ復帰の舞台は、那須川天心との大一番だ。SNSでも大きな話題を呼んだこの決戦は、ボクシング界を超えて注目を集める。
井上は淡々とした口調の奥に、静かな闘志を秘めていた。天心のスピードや反応を高く評価しつつも、自らのキャリアと技術に揺るぎない自信を持つ。「楽しむ」と語る一方で、「勝たないと何も始まらない」と背水の覚悟をにじませた。
■この試合が決まって、反響の大きさを感じていると思いますが。
井上 まぁ、そうですね。会見前からSNSで盛り上がっていますよね。いい盛り上がりだなと感じていました。
■最初に話を聞いた時の心境を教えてください。
井上 同じ階級ですし、いずれは当たるかもな、くらいにしか思っていなかったです。このタイミングで話がきて、やらない理由はないので。会長から直接聞き、「やりたいです」と伝えました。
■堤選手との一戦が終わってから、どのようなことを考えながら過ごしていたのでしょうか?リベンジしたいと思っていたかと思いますが。
井上 最初は、ダイレクトでできるとか聞いていて、それが向こうの怪我とかタイミングとかで流れて。IBFランキング上位にいたので、王座決定戦っていうアレになったので。まぁ、最初はそうですね、また戦いたいと思っていました。それが二転三転してって感じですね。
■再び、存在感を示すにはこれ以上ない相手です。
井上 そうですね、一番良いタイミングで決まりました。
■対戦する前から見ていたと思いますが、その時の那須川選手の印象を教えてください。
井上 スピードもありますし、タイミングが良く反応も速くて良い選手だなと思っていました。
■しかし、スピードでもテクニックでも負けていない自信はあると思いますが。
井上 それはもちろんありますよ。
■そして、ボクシングのキャリアでも、ですね。
井上 実際、(ボクシングでの)キャリアが少ないとはいえ、格闘技のキャリアは長いですし、そこは戦ってみないとわからないですね。
■那須川選手は、試合を重ねるごとに急成長を遂げています。
井上 そうですね。自分自身もモチベーションは高いですし、油断は一切していないです。