日本ライト級王者の宇津木秀(28=ワタナベ)は、4月26日(水)に後楽園ホールで開催される「フェニックスバトル99」のメインイベントで、同級1位の仲里周磨(26=オキナワ)を迎えて3度目の防衛戦に臨む。
昨年2月に王座奪取に成功した宇津木は、富岡樹(角海老宝石)、ジロリアン陸(フラッシュ赤羽)を倒し安定王者の地位を築いている。2度目のタイトル挑戦となる仲里は、父で元OPBF東洋太平洋王者の仲里繁会長との二人三脚で宇津木のベルトを奪いにいく。V3に臨む宇津木は、「3度目の防衛だが、マンネリはない」とキッパリと言った。
■本日(取材日:3月7日)のスパーリングの出来はいかがでしたか?
宇津木 悪かったですね(苦笑)。今日は8ラウンドのスパーリングで気持ちを作ってきたのですが、動きが硬かったです。稔君(鈴木稔弘=志成)とのスパーで気合いが入りすぎてしまい、ファイターのような戦い方になっていました。
■緩急をつけた攻防と柔らかさを感じさせましたが。
宇津木 まだまだです。良い時はもっといいので。今日はコバさん(小林尚睦トレーナー)に言われたことが全然できませんでした。中井君(中井龍=角海老宝石)との試合でダウンを取られてから、柔らかく動くことを意識したところ、それ以降は上手くハマりました。
■鈴木選手にパートナ―を変えてからは、戦法を変えているように見えました。
宇津木 そうです。いろいろなことができないとですね。悩みながらやっていますよ。
■3度目の防衛戦を迎えました。
宇津木 特に緊張することはないですが、仲里君は強いので、良い相手じゃないかなと思います。4大タイトルマッチのメインイベントで、注目度が高い中で試合をさせてもらうのでまた楽しみながら戦いたいですね。
■仲里選手とスパーリングの経験はありますか?
宇津木 1回だけあると思います。2〜3年くらい前だったかな。その時も荒々しいが上手いなと思いました。パンチを振ってくる成り上がりみたいな戦い方なので、怖さはあります。やりづらいとは思いませんが、どこからパンチが飛んでくるかわからないし、タイミングを合わせるのが難しいので、気をつけながらディフェンスメインで練習をしています。ジロリアン選手とは、また違う強打者というか。また攻略しながらやっていこうかなと思います。
■常々、「ボクシングは研究勝負」と言っていますが。
宇津木 もちろんしていますよ。ここでは言わないですが(笑)。スパーで試しながらやっていますね。
■前戦も研究通りに進められたのでしょうか?
宇津木 そうですね。始まってすぐに大丈夫だと思いました。しかし、そこで気を抜くのではなくてパンチに気をつけて、自分で作ったシナリオを着々と進めていくだけ。試合で油断することはないですね。
シナリオ通りに進める
■"シナリオ"ですか?しかし、思い通りにいかない時もあると思いますが。
宇津木 はい。そうなった場合の組み立ても考えています。上手くいかなかった時の道もたくさん作っておきます。一つだと引き出しが少なく、ミスった時に焦ってしまうので、何パターンか用意して「こうなったら、こうしよう」と考えています。大体ラウンド毎に分けています。