武居由樹の相手は西田凌佑戦後は4連続KO

　WBO世界バンタム級王者の武居由樹(28=大橋)が10日、都内のキャピトル東急ホテルで記者会見を開き、9月14日(日)に名古屋IGアリーナで行われる「NTTドコモ presents Lemino BOXING」で、同級1位のクリスチャン・メディナ・ヒメネス(25=メキシコ)と3度目の防衛戦を行うことを発表した。

　ヒメネスは、2023年8月に来日し、IBF世界バンタム級挑戦者決定戦で西田凌佑(六島)と対戦。粘り強い戦いを見せたが、判定で敗れている。その後は地元メキシコで再起し、4戦連続KO勝利と勢いを取り戻しており、挑戦者としての評価を高めている。

　試合は、スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥の防衛戦のセミファイナルとして実施され、動画配信サービスLeminoで無料ライブ配信される。

　3度目の防衛戦で指名挑戦者を迎え撃つ武居は、「相手はランキング1位で、西田選手とも戦っている強い選手。メキシカンスタイルでガンガン前に出てくるので、自分としても闘うのが楽しみ」と決戦を心待ちにしながらも、「そろそろ、もう1本ベルトが欲しい。緑のベルトに興味がある」と中谷潤人(27=M.T)が保持するWBCのベルトに興味を示した。

WBCのベルトに興味

　現在、チャンピオンは中谷で、スーパーバンタム級への転級もうわさされており、WBC世界ランキングには那須川天心(26=帝拳)が位置している。

　武居を指導する八重樫東トレーナーは、「ヒメネスと西田選手の試合が参考になる」と、武居と同じサウスポーの西田との映像で研究しているようで、「ファイターだがスキルもある。武居のボクシングがどこまで通用するか。しっかりと対策していく」と語った。

　大橋秀行会長は「前回は1ラウンドで勝ったが、今回は厳しい戦いになる。終盤激闘になるのではないか。ここを乗り越えさえすれば、ビッグマッチを計画しているので、ぜひとも勝利してほしい」と期待を寄せた。

　井上尚弥(32=大橋)との競演は、昨年9月以来だ。武居は「尚弥さんの試合のセミファイナルで出させていただく中で、尚弥さんより派手で良い試合を見せたい。前半からガンガン攻めて、早いラウンドで倒したい」と対抗心を隠さず、世界王者としての自信を示した。

　キックボクシング時代からのライバルで、対戦が熱望される那須川の最新試合(6月8日)はリングサイドで観戦、「良くも悪くもイメージ通り」と感想を語ると、「天心戦が近づいているのを感じるが、まずは、この強敵をクリアする」とヒメネス撃破に全力を注ぐ。

　名古屋での試合は、キックボクシング時代にしているが、「地方での試合は、結果を残せていない。当時は勝ったら何を食べようかとか旅行気分なところがあった。今はキャリアを重ねているので、しっかりと集中して戦いたい」と語った。