中谷潤人とアンソニーが笑顔で会見

　WBC(世界ボクシング評議会)世界バンタム級チャンピオンの中谷潤人(26=M.T)とWBO(世界ボクシング機構)世界フライ級新チャンピオンのアンソニー・オラスクアガ(25=米国)が21日、都内の帝拳ジムで、そろって一夜明け会見を開いた。

　昨晩、初回KOでWBC世界バンタム級の初防衛を飾った中谷潤人、WBO世界フライ級王座決定戦を3RKOでベルトを巻いたアンソニー・オラスクアガ両選手と中谷の所属するMTジムの村野健会長、そしてルディ・エルナンデストレーナーは満面の笑みで会見会場に現れた。

　昨晩の過ごし方を記者に問われると、中谷は「全然眠れなかった。今までずっと起きていた」と語り、オラスクアガは「いっぱい食べた」と、にっこり微笑んだ。

　そして中谷は「Iラウンド、いいパンチが当たってノックアウト出来て、その中で思うところや反省点はあったが、そこはしっかりと詰めて、克服していきたい」と、まずは反省の弁を述べた。

　村野会長は、対戦相手のアストロラビオについて「バンデージチェックやミット打ちなどを見て、警戒しなくてはいけない相手だと思った。体力的な圧力もあると感じたが、上をヒットさせ最後にボディブローで倒せて、内容的に完勝だったと思う」と目を細めて教え子の勝利を讃えた。

　オラスクアガは「自分の試合は、まだ見直していない。ミッションを遂行できたと思っている」と満足げに語った。

　幼い頃から2人を息子のように大切に指導してきたルディトレーナーも「グレイトジョブだった」と最大の賛辞をおくった。

　中谷はPFP(パウンド・フォー・パウンド)について記者に問われると、「1戦1戦って結果を残すことが大事。その中で統一戦をやっていくことも大事になってくる」と先を見据えた。

　フライ級に転級した前WBA・WBC世界ライトフライ級統一チャンピオンの寺地拳四朗(32=BMB)との再戦意向を尋ねられたオラスクアガは「もちろん可能性があるならやりたい。タイトルを持っている選手とやりたいので、その時に挙四期がベルトを持っているならばやりたい」と意欲を示した。

　そして、「拳四朗は友達。だが、リングに上がれば、それは関係なくなる」と口元を引き締めた。ルディトレーナーは「あんなパンチを打ったくせに謝ってこなかった」と続け、記者たちを笑わせた。