井上尚弥・拓真兄弟が地元愛を語る!

　バンタム級3団体統一王者の井上尚弥(29=大橋)と日本・WBOアジアパシフィック・スーパーバンタム級王者の井上拓真(26=大橋)が21日、神奈川県座間市民を対象とした交流イベント「ざま井上兄弟タウンミーツ」に出演。佐藤弥斗市長に勝利を報告し、トークセッションなどを行った。

　2人とも座間市出身で、現在も同市から横浜市内の所属ジムに通っている。尚弥は「練習や祝勝会、会食の後に、生まれ育った座間に帰ることは、気持ちをリセットする意味で自分にとって大事なこと。なので、ずっとここに住んでいる」。拓真は「引退しても、ずっとここに住むと思う。どこに行っても帰りたくなる街」と、座間市への思いを語った。

　尚弥が座間市のイベントに出演するのは、6年ぶりのことだという。500名が応募し、抽選で当たった250名が井上兄弟と触れ合った。街の魅力を聞かれた尚弥は「ボクシングを始めてから今日まで、芹沢公園で走り込みをしている。今日も走って来た。トレーニングがしやすい環境」と話した。続けて拓真は「坂道が多くて、トレーニングに適している。そして、なんといっても水が美味しい」と言うと、会場から拍手が沸き起こった。座間市は地下水に恵まれ、特産物として知られている。

　質問コーナーでは「一番好きな食べ物は?」、「今、喧嘩をしたらどっちが強い? 」など普段、メディアでは聞かれないような質問が飛び出した。ちなみに尚弥は唐揚げ、拓真はハンバーグが大好物だ。

　「小さい頃は喧嘩したこともあったが、(ボクシングをしていたから)2人とも手を出したことはない。(今、喧嘩をしたら)拓真が勝つのでは?」(尚弥)。「ボクシングは勝てないが、喧嘩ならチャンスがあるかも」(拓真)と話し、笑いを誘った。終始、ほのぼのとしたトークを繰り広げた。

　トーク後には、サイン色紙の抽選会、来場者による撮影会が行われ、盛り上がりを見せた。
イベント終了後に囲み取材に応じた尚弥は「こうして(多くの人たちに)集まってもらって、うれしかった。コロナが落ち着いたら、もう少し長い時間、トークや写真撮影ができれば」と、引き続きイベントをしていきたいと語った。

　佐藤市長は「これからも、座間市民の誇りになっていただければ。2人の姿を見て、(座間の)子どもたちにとって、夢を実現できるお手本になってもらえたら」と、さらなる活躍を願った。尚弥がバンタム級4団体統一王者になった際は、「コロナもあるので、調整しながら」と前置きした上で、「できる限り多くの市民と喜びを共有してもらいたい」と市内でのパレードも検討しているという。

　今後の目標を聞かれた2人は「年内での4団体統一王者」(尚弥)、「もう一度世界チャンピオンに返り咲いて、兄と同じ土俵に立つ」(拓真)と決意を誓った。

　昨日は、大橋ジムのプロ選手全員でミーティングを行い、意見交換したという。尚弥は「プロボクサーとしての意識を高めよう、大橋ジムの底上げをしていこうということで行った。4回戦選手の試合も、いつ試合があるのかなどの情報共有し、皆で応援しようと。あとは、挨拶の徹底をしていこうと話した」。

　パウンド・フォー・パウンド1位の井上尚弥を筆頭に、チャンピオンやランカー、期待のホープ、さらに新人王トーナメントも有力選手が出場し、層が厚い大橋ジム。尚弥を中心に、さらにジム全体の結束を強めていく。