[リングサイドの目]2026.9.3
井岡一翔が現役続行へ! 吉良大弥から受けた刺激!

元世界4階級制覇王者の井岡一翔(37=志成)が2日、横浜BUNTAIで開催された「NTTドコモ Presents Lemino BOXING ダブル世界タイトルマッチ」のメインイベント、WBA(世界ボクシング協会)ライトフライ級王座決定戦、吉良大弥(23=志成)対カルロス・カニサレス(33=ベネズエラ)戦を観戦した。同門の後輩が世界の頂点を目指す戦いを、リングサイドから熱い視線で見守った。
試合後、取材に応じた井岡は「まだ、現役を続けていこうという気持ちです」と現役続行を宣言した。吉良の活躍に刺激を受け、自身も再び目標へ向かって歩みを進める決意を示した。
井岡は、5月2日に東京ドームでWBC世界バンタム級王者の井上拓真(30=大橋)に挑戦したが、判定負けで世界5階級制覇はならなかった。その試合で右目眼窩底を骨折。復帰時期は明らかにしなかったものの、ボクサーとしてやり残したこと、挑戦したいことがあると強調した。
試合は、吉良が7回TKO勝ちを収め、国内男子最短タイとなるプロ5戦目で世界タイトルを獲得した。
井岡は「相手の選手は良い選手で、これまでもワンサイドの展開の中でダウンを奪ったりと、パンチがある選手なので、一瞬たりとも気が抜けない展開だった」と、緊張感を持って戦況を見つめていたことを明かした。
試合前には、世界初挑戦に臨む後輩へ自身の経験を踏まえて言葉を送った。
「世界チャンピオンになるために頑張っている中で、やってきたことがどこか不安に感じたり、試合が近づくにつれて恐怖の方が強くなることがある。自分がやってきたことを疑わずにリングに上がって、一つひとつ丁寧に楽しもうねと伝えた。(大弥は)この階級を作るのが楽ではないので、計量やリカバリーを丁寧に仕上げようねと。慎重にうまく調整していた。控え室で見た時に、完全に仕上がりが良いなと思った」。
人間的に成長した
見事にベルトをつかんだ吉良については、技術だけではなく、人間的な成長にも目を細めた。「素質はあるし、あの世代はボクシングを始めたのもすごく早いので、技術やレベルがすごく高い。結果を出しながら、人としても成長しているのを見ていて感じていた。これから時代を作っていく選手。ここからがスタート」と、新王者を称賛した。
吉良は試合前、「一番年下の自分が世界チャンピオンになることで、志成ジムを盛り上げていきたい」と話していた。その言葉通りの結果を残し、試合後も周囲への感謝を忘れなかった。
井岡は「ジムとの関係性や、選手とトレーナー、選手同士の関係が良く築けている。ボクシングはリングに上がったら一人だが、それまでのサポートなど、チームとして戦っていることを常々感じていると思う。独りよがりにならず、最後のインタビューでも謙虚に話していた。そういう気持ちがある限り、彼のことをサポートしてくれる人はたくさんいる」と、吉良の姿勢を高く評価した。
後輩の躍進は、井岡自身の闘志にも火をつけた。
「もちろん、力をもらっているし、自分が初めて世界チャンピオンに挑戦した時の気持ちを思い出した。まだ、現役を続けていこうという気持ちでいるので、良い刺激をもらった。残りの時間で背中を見せていけたら。時代は完全に彼らの時代。そこは切り離して、自分はできることをサポートしたり、やり残したこと、挑戦したいことをやり遂げたい」。
世界4階級を制した井岡の視線は、すでに次の挑戦へ向いている。新たな時代を担う後輩を支えながら、自らのボクシング人生を納得のいく形で完結させるため、37歳の名王者が再び歩き始める。
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