中谷潤人! ″ビックバン″を世界に!

　ジム内に独特の緊張感が漂いながらも、終始落ち着いた様子の中谷。シャドーでは滑らかなフットワークとシャープなパンチを打ち出し、サンドバッグ打ちでは拳の感触を確かめた。

　「今は感覚を研ぎ澄ます段階。疲労を抜きながら、丁寧に仕上げている。減量もあと3〜4kg。筋力を落とさず体脂肪だけを削っている」と順調な様子を語った。

　特に今回は“足元の感覚”に強くこだわってきた。素材やグリップ感、フィット感まで細かく打ち合わせを重ね、オーダーメイドの特注シューズを使用。「足の感覚はすごく繊細。納得のいくものができた」と、日々の練習でも実際に履き込み、足との一体感を高めてきたという。

　中谷は「サウスポーとのスパーリングを250ラウンド以上こなした」と明かし、実戦を意識した濃密なトレーニングを重ねてきた。試合に向けて、「西田選手は良いチャンピオンで、個性のあるファイトスタイル。相手のリズムにはさせず、自分のペースで試合を組み立てたい。自分らしさを出して楽しみながら、ぶつかり合いたい」と意気込んだ。冷静な分析と戦略面に明確なビジョンを持ちながらも、試合を楽しみたい気持ちを覗かせた。

　「ようやくこの統一戦の舞台に立てることが嬉しい」と語った中谷は、直近では寺地拳四朗(33=BMB)とユーリ阿久井政悟(29=倉敷守安)の王座統一戦や、武居由樹(28=大橋)の試合からも刺激を受けたという。「ポイントとなる試合。統一戦の雰囲気を楽しみながら、ベルトが自分に渡ってくることをイメージしている」と、胸の内を明かした。

　最後に「さらに大きな舞台を想像してもらえるように“ビッグバン”の名にふさわしい試合をしたい。今年のテーマは“ワールドワイド”。海外の方にも注目してもらえるような戦いを見せたい」と穏やかな表情で言葉を結んだ。

　M.Tジムの村野健会長も「コンディションは非常に良い。西田選手は頭の良いチャンピオンだが、一切気を抜くことなく、素晴らしい試合になる」と自信を示した。