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WBA(世界ボクシング協会)バンタム級タイトルマッチが30日、横浜BUNTAIで行われ、チャンピオンのアントニオ・バルガス(28=米国)に比嘉大吾(29=志成)が挑んだ。

横浜BUNTAIで行われたWBA世界バンタム級タイトルマッチ。3度目の世界挑戦に臨んだ比嘉大吾(志成)は、王者アントニオ・バルガス(メキシコ)と12ラウンドの激闘を繰り広げたが、判定はドロー。王座奪取ならず、試合後の会見で引退を表明した。
会見場に姿を見せた比嘉は、「これが自分の実力。引退します」と、タオルで涙をぬぐいながらマイクを握った。声を震わせなが「これが自分の実力。3連続での世界戦、何が何でも勝ちたかった。でも“2度あることは3度ある”で、また倒れてしまった。ドローだけど、自分としては負け。引退します」と言葉を絞り出した。
「前に行かないより、行く。それが自分らしさ」
試合内容については「バルガスはガードが高く、前にプレッシャーをかけて打ってくるタイプ。ダウンは手応えがあったけど、回復が早かった。挑戦者なので最後まで攻める選択肢しかない。もっと前半から行くべきだった。油断はなかったけどダウンしてしまった。“前に行かないより、行く”。その結果で倒れたけど、自分らしさは出せた」と振り返った。

18歳から二人三脚で歩んだ野木丈司トレーナーに感謝の気持ちを伝えた。「師匠であり、兄弟のような存在。自分にイラついたこともあったと思うけど、全部やってもらって感謝しかないです」。続けて、長年支えてくれたチームや地元沖縄のファンに向けては「お金のためと言ってきたけど、それだけじゃ続けられなかった。楽しいボクシング人生でした」と大粒の涙を流した。
最後は比嘉の会見を静かに聞いていた拳友に、「堤、頑張って」とエールを送って、会見を終えた。

会見に同席した野木丈司トレーナーは、「大吾は良くやった」と労った。
試合後、野木丈司トレーナーは「これが現実。ポイントが不安で、必ず取れと送り出して、前に出た結果。大吾は良くやった。こんな選手と一緒にやってこれて幸せでした。大吾が10代の頃に『野木さんは内藤さんのトレーナーとして有名だけど、いつか比嘉のトレーナーとして有名にしたい』って言ってくれて、その通りになった」と、愛弟子との12年間を総括。「大吾の気持ちを尊重します」とグローブを吊るす覚悟を決めた剛腕を称えた。

フラッシュインタビューでバルガスは、「よかった。勝てて(防衛できて)よかったが、比嘉はグレートな挑戦者だった。すごくタフだった」と激闘を振り返った。「リマッチの希望があれば受けてもいい」とも話した。
リングに上がった休養王者の堤聖也(29=角海老宝石)は、「素晴らしいファイターでした。同じベルトが2個ある。他にもあって、奇妙なことになってるが、僕が本物なんで、次、わからせようと思います」と、WBA王座統一戦を呼びかけた。
これには、バルガスも「日本は美しい国だ。ぜひ、WBAのベルトをまとめましょう。神に誓ったので、戦いましょう」と、答えた。

ドロー防衛に成功したバルガスは試合後の会見で「どうしても勝ちたかった。これからも成長したい」と力強く語ったバルガスは、「重いパンチだった。元世界王者らしくて、やりにくい選手だった。いい経験になった」と比嘉を称えた。
試合中の第4ラウンドを振り返り、「足に来てなかったが、ジーザスに助けてくれと祈ったよ」と、苦しい場面も明かした。
今後については「プロモーターに任せるが、誰とでも戦うよ。誰というのはないが、タイミングが合えば、統一をしたい」と意欲を見せた。
最後に、「日本の皆さん、本当にありがとうございました」と感謝の言葉を口にし、会見を締めくくった。




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