[一夜明け会見]2025.2.25
那須川天心! 次戦は世界前哨戦
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WBOアジアパシフィック・バンタム王者の那須川天心(26=帝拳)が25日、東京ドームホテルで開かれた一夜明け会見に出席し、前WBO世界同級王者のジェーソン・モロニー(34=豪)との一戦を振り返った。
バンタム級は4人の日本人選手が世界チャンピオンとして君臨し、国内外の実力者がひしめく激戦階級だ。
左目下を腫らして会見に臨んだ那須川は、「前回はカットして今回は痣(あざ)ができてボクサーになってしまったな」と、おどけて報道陣の笑いを誘った。
試合映像を見た那須川は、「自分で言うのもアレだが、自分じゃないみたい。いろいろな展開で戦っていたし、なにより楽しそうだった」と前世界王者とのハイレベルな攻防を振り返り、「しっかりと勝ったことで、確実に狼煙を上げることができた」と手応えを口にした。
会見に同席した帝拳ジムの浜田剛史代表は、モロニーについて「サウスポー対策をしっかりとやってきていて、ノーモーションの右ストレートは避けにくかったようだが、2ラウンド以降は天心はペースを握っていた。6戦目でしっかりと勝てたことは大きい」と評価した。
那須川は、「モロニー選手は、自分がまだ眠っているものを引き出してくれた。前向きな課題がたくさん生まれ、まだまだ伸びるし、改めてボクシングは面白い」と熱弁。キックボクシング時代との違いに触れ、「キックボクシングは3ラウンドや5ラウンドで勝敗がつくので、割とごまかしが効いたが、ボクシングはそれができない。ごまかしが効かない時代なので、それを見せることができる。人間ヒストリーが見せられる競技」とボクシングの深さについて語った。
試合後は、キックボクシング時代からのライバルであり、WBO世界バンタム級王者の武居由樹(28=大橋)がリングに上がり、将来の対戦を約束した。「時が来たら必ずやると思うので、待っていてください」と語った。さらに「今回の試合で元世界チャンピオンに勝ったので世界が見えてきた。今年中に世界のベルトを獲りたい。自分が勝ったことでボクシングを見てくれる人も増えるだろうし、ボクシングに興味を持ってくれたらうれしい」と意気込みを見せた。
次戦は世界前哨戦になる予定で、「モロニー選手は日本でも知られている選手なので、知名度のある強い相手と戦いたい。バンタム級の世界チャンピオンが全員サウスポー(WBA王者の堤聖也はスイッチヒッター)なのでサウスポー選手と戦ってみたい」と述べた。
会見の最後に浜田代表は、採点結果について言及。「試合後、インターネットなどで98-92の採点はおかしいと声があったが、ポイントが割れるとしたら最終ラウンドだけ。昨日ほど、わかりやすい判定基準はないと思う」と説明した。
帝拳ジムの本田明彦会長は、「理想的な展開ではなかったが対応できていたし、精神的にあれだけ強いとは思わなかった。経験を積むことができたし、心配していた部分も解消された。100点の出来」と高評価。採点についても「あんなに簡単な採点はない。コントロールしていたのは天心」と語った。
世界初挑戦は11月に予定
次戦は6月で世界ランカーとの試合を予定しており、ここをクリアすれば11月にも世界戦を組む意向を明らかにした。
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