井上尚弥の次戦は12月24日(火)。サム・グッドマンと対戦!

　「WBOとIBFで1位の選手なので、ベルトを守る上では避けて通れない相手」と、この試合の位置づけを示すと、「東京ドームの試合(ルイス・ネリ戦)が終わってから意識していた選手。まとまった選手で、これまで無敗なので、何かしらの強さを持っている」と、19戦全勝(8KO)のグッドマンを警戒した。

　2017年以来となる、1年で3試合する井上は、「調整や体を整えるには良い期間。12月も問題なく調整できる。今年を締めくくる意味で、インパクトのある試合を見せる」と、モンスターらしい豪快KO決着を約束した。

　この試合のキーポイントに、スピードを挙げた。「グッドマンのスタイルを考慮して、スピードを意識したボクシングをしていく。ドヘニー戦は前日計量から体重を7.4kg戻したが、今回は6kgに抑える。1.4kg違うが相当、スピードが出る」。

　この日、オンラインで会見に臨んだグッドマンは、「いつか決まるだろうと、準備をしていた。井上はパワーとスピードがあり、賢く戦うボクサー。ベスト、パウンド・フォー・パウンド。試練は重々承知している。しかし、わざわざ東京まで倒されにいくわけではない。4団体統一王者は、子どもの頃からの夢。ここまで勝つために努力をしてきた。自分にとって最後のチャンスになるかもしれない。全力で勝ちにいく」と、ベルト奪取を誓った。

「勝ってオーストラリアにベルトを持ち帰る」

　初の世界タイトル挑戦、相手はビッグネームの井上ということもあり、緊張からか表情は硬かった。

　井上vsドヘニー戦を見たグッドマンは、YouTubeチャンネルで「いつもに比べて(井上は)冴えなかった」と、コメントしたという。記者からそのことを突っ込まれると、「もちろん勝つ自信がなければ、試合を受けないし、コメントに関しては本当のこと。井上は勝てるだけのことはやっていたが、他の試合と比べてベストパフォーマンスではなかった」と真意を明かしたが、「次戦はドヘニー戦やほかの試合にまったく関係なく、新しい井上尚弥で来ると思うので、過去の試合は参考にしていない」と付け加えた。

　最後の質問が終わり、司会者が会見を締めようとした瞬間、井上が「最後に少しいいですか?」と言うと、「グッドマンと(オンラインで)つながっているので。ドヘニー戦が冴えないという言葉をもらったが、それはドヘニーが塩試合に徹したから冴えない試合になってしまった。グッドマンには、ぜひ熱い戦いをしてもらいたい。その意気込みで来てもらいたい」とディフェンシブではなく、好戦的な戦いをしようと呼びかけた。それに対し、グッドマンは「東京で会いましょう」と答えた。

　会見後、囲み取材に応じた井上は、「どうせやるなら、熱い試合がしたい。ドヘニーが試合を長引かせたい思いで試合をした。その試合に対し、冴えないと感想を持ったが故に、グットマンが同じような戦い方を選択するのであれば、その試合も冴えない試合になるよということです」とけん制。「自分の性格的に、塩試合で勝てればいいやとの思いでボクシングをやっていない。倒しに行くし山場も作る。それに応戦してくれないのであれば、一方的な冴えない試合になる」と語った。

　「来春に向けてのステップとなる試合。次戦を勝たないと、次のステージが見えてこないので、しっかりと勝つ」と言葉に力を込めた。

　大橋秀行会長は、「グッドマンも相当、気合いを入れてくるが、来年や再来年に大きな野望があるので、圧倒的な差を見せてほしい。確定はしていないが、来年はラスベガスかニューヨークか。その予定でいます。そのためにも圧倒、圧勝しないといけない」と語った。

2025年、中谷潤人(M.T)とのビッグマッチへ

　井上は、21日に行われたWOWOWエキサイトマッチの収録後の囲み取材で、来年スーパーバンタム級に上げてくることが予想されるWBC(世界ボクシング評議会)バンタム級王者の中谷潤人(26=M.T)を意識したコメントで報道陣を驚かせた。

　大橋会長は「来年も3試合。とてつもなく大きな試合になるんじゃないですか。尚弥が日本人絡みで一番盛り上がるのは中谷選手」と、2025年のスーパーファイトに期待を寄せた。