ベジータ石川が九州のボクサーの魅力を伝える「スカウターコラム」。今回は、B級ボクサーの平野琉喜亜(ひらの・るきあ/22=北島)にフォーカスする。
平野は5月23日(土)、福岡市立城南体育館で開催される「株式会社 辛島組 presents THE FUKUOKA PROBOXING FirstThrive」のメインイベント、49.5kg契約6回戦で片渕龍太(21=KG大和)と対戦する。若き挑戦者の現在地と、その内面に迫った。
私はインタビューの際、必ず最初にこう聞く
「何のためにボクシングをしているのか?」
その答えに、その選手の人間性や価値観が凝縮されていると感じている。
平野の答えはシンプルだった。
「何者かになりたい」。
平野:俺はまだ何者でもない。ただのプロボクサー、いや、ただの人です。まだ途中なので
まだ22歳。長崎から福岡へ拠点を移し、夢を追い続けている。謙虚な言葉の奥に、確かな意思が宿っていた。
ベジータ:6回戦になって自信はついた?この先、何者かになれそう?
平野:まずは24歳までに日本ランキングに入ります
ベジータ:こういう時は“チャンピオンになる”って言う選手が多いけどね(笑)
平野:言えますけど言いません(笑)。説得力ないでしょ?ランカーでもないのに
ベジータ:なるほど
平野:バカだけど空気は読めます
過剰なビッグマウスではなく、現実を踏まえた目標設定。それでいて言葉には不思議な力強さがある。静かな自信を感じさせた。
その実力を確かめるべく、スパーリングを行った。
ベジータ:階級差もあるし、軽めにやろうか
平野:いえ、ガチでお願いします。その方が面白いので(笑)
北島桃太郎会長の許可を得て、実戦さながらの攻防が始まった。
とにかく速い。あっちへ行き、こっちへ動き、一瞬で視界から消える。私の動体視力では捉えきれない。
こちらはライト級、相手はミニマム級。9階級差の体格差で押し込もうとするが、気づけばポジションを入れ替えられ、逆にコーナーへ追い詰められていた。
攻防を繰り返すうちに、連打を浴びる。
思わず北島会長がストップをかけた。