九州女子ボクサーの魅力に迫る ― 田中歩未(FUKUOKA)
ベジータ石川が、九州のボクサーの魅力を独自の視点で紹介する「スカウターコラム」。今回は、日本アトム級14位の田中歩未(24=FUKUOKA)にスポットを当てたい。
まず最初に、私の持論をひとつ。生物学的観点から見て、男性と女性はどちらが強いのか。
結論から言うとーー。圧倒的に女性だ。
精神的にも、肉体的にも、そう思う。以下、ベジータの愚見を述べさせてもらう。
女性と男性の大きな違いは、子孫を繁栄させる能力を持っているかどうかだろう。人間社会では、男性のほうが働いてお金を稼ぎ、「すごいね」と言われがちだ。しかし、それは裏を返せば、それくらいしか役割がないからではないか、とさえ思う。
女性は1ヶ月に一度、体調を崩したり腹痛に悩まされたりする。月の満ち欠けと関係があるとも言われる、いわゆる月経だ。そんな神秘的な現象を身体の中で抱えながら日常生活を送っている。しかも人間を生み出すことまでできる。
もはや神なのではないか。
何が言いたいかというと…。ジムで女子ボクサーを見かけたら、優しくしてあげてほしい、ということである。
というわけで、今回紹介するのは田中歩未だ。
割り切ったボクシング人生
彼女は、どこか達観したスタンスでボクシングと向き合っている。
ベジータ:後楽園ホールとかオファーあるやろ?行かんと?
田中:はい。仕事があるので。笑
ベジータ:なるほど。それは人それぞれでいいと思う!逆に、なんでボクシングしてるの??
田中:もともとプロレス好きで。笑
ベジータ:なるほど…。リングは同じだからね
田中:女子に生まれたからには、プロボクサーって特権じゃないですか?女子選手は少ないし、強い選手とマッチメイクされる確率も高い。でもその分、チャンスも早く回ってくるんですよ。
意外と計算している。そう思った。
仕事やプライベートで大きな変化があっても、ボクシングを続けていく。そうすれば、いつか結果がついてくるかもしれない。
田中:今のところ、辞める理由がないので(笑)。
戦績は1勝4敗1分。決して良い数字ではない。
それでも彼女は「辞める」とは一言も言わなかった。かといって「絶対続ける」とも言わない。
ただ、前を向いている。
人生は長い。プロボクサーである時間も、その人生の一部だーー。そんなメッセージを感じた。
負けても、負けても、チャンピオンを諦めない。九州のボクサーは、自然とそういうマインドになるのだろうか。
越本隆志会長の本音
しかし、ベジータ(5勝20敗4分)と田中選手で話していても、「負けても頑張る」ぐらいの話しか出てこない。そこで、元WBC世界フェザー級王者でFUKUOKAジム会長の越本隆志に話を聞いた。
ベジータ:越本会長、田中選手は次で7戦目になりますが。
越本会長:もう少しボクシングに打ち込んでくれたらな。でも性格もあるからな。よく続けてくれている選手だと思うよ。
さらにこう続けた。
越本会長:このくらいのスタンスだから続けられている部分もある。全部を否定してるわけじゃないよ。もう娘みたいなものだからね。少し甘いのかな?(笑)
絶妙に本音を突く越本会長。いい距離感である。
ここまでの関係性を築けるのも、田中の魅力なのかもしれない。