田中:越本会長がセコンドにいてくれるだけで、自信が持てるんです。少し強くなった気がします。
FUKUOKAジムの選手たちは、皆同じことを口にする。
私も以前、出稽古で訪れた際にアドバイスをもらい、とてもうれしかった記憶がある。それほど九州のボクサーにとって、越本隆志の存在は大きい。
越本会長:九州の選手は東京で試合したら、まず2ポイント置いてきたと思っておいたほうがいい。アウェーはなくなったと言われるけど、実際はまだアウェーだからね。
ベジータ:私も倒さないと勝てないと思ってやっていました・
越本会長:それに九州の選手は東京に呼ばれにくい。経費もかかるし、興行側のメリットも少ない。呼ばれるとしたら、試合慣れしていない“かませ役”になることもある。
ベジータ:悲しいけど、それは分かります(苦笑)。
越本会長は意外と毒舌だった。これ以上の対談は危険と判断し、スパーリングへ移行することにした。
越本会長:ベジータ、クリンチするなよ。
スパーリング開始。
さすがに可愛い女子選手に本気で打ち込むわけにはいかないが、軽く当てさせてもらう。
試合が近いため細かいことは言えないが、基本に忠実で、変則とは無縁のボクサー。地面から身体へと連動する動きがしっかりしている。
正直、男子ボクサーを含めても、ここまで基本を忠実に再現している選手は九州でも珍しい。