WBA(世界ボクシング協会)ライトフライ級王者の高見亨介(23=帝拳)は、12月17日(水)、両国国技館で開催される「U-NEXT BOXING.4」でWBO(世界ボクシング機構)同級王者のレネ・サンティアゴ(33=プエルトリコ)との王座統一戦に臨む。
高見は、今年4月にエリク・ロサ(ドミニカ共和国)に10回TKO勝ちし、タイトル奪取に成功。いきなり他団体王者と2本のベルトを懸けて激突する。対戦相手のサンティアゴは、同門の岩田翔吉を破って王座を奪取した技巧派。高見も「器用で、見せ方が上手い選手」と警戒を口にする。
若き王者は、初の防衛戦がいきなりベルト2本を懸けた大一番となる現実をどう受け止め、どんな戦いを描いているのか。自信と謙虚さを併せ持つ23歳は、すでにその先の未来まで見据えていた。
■コンビを組む田中繊大トレーナーがラファエル エスピノサ(メキシコ=WBO世界フェザー級王者)のセコンドのため、メキシコに行っており、本日(取材日:11月20日)に帰国したということですが。
高見 そうです。そうです。また帰って来ないんじゃないかなって思ったんですが(笑)
■田中トレーナーがいない時は、どのような取り組みをしているのでしょうか?
高見 オギー(オギー・サンチェストレーナー)ともやっていますし、オギーがいない時は他のトレーナーにミットを持ってもらいます。繊大さんからは、普段から「ああしろ、こうしろ」とは言われていないので、変わらず自分で考えながらメニューを組んでやっています。2人ともそんなに言ってこないです。ただ、ミットのやり方は全然違います。
■具体的には?
高見 オギーは、とにかく手数。繊大さんは、実戦的に足を使わせてという感じです。どっちみち、どちらのミットも疲れますね。
■王座統一戦は、頭にありましたか?
高見 今年にやるとは思っていませんでした。流石にここまでのプランは想定していませんでした。今年、日本タイトルを獲って、世界チャンピオンになるというのは思い描いていました。年内に防衛戦があればいいな、という感覚でした。
■しかし、王座統一戦は希望していたと。
高見 はい。ライトフライ級は、減量が楽なわけではないので、世界を獲った後にやるとしたら、大きな試合がいいな、とは思っていました。前回の試合が終わってからサンティアゴからめちゃくちゃDMが来ていて。「ぜひ、俺とやろうよ」と。
■えっ!?
高見 熱烈なアプローチがあったので、会長に伝えました。最初はやらないのかなと思っていたらまさかの、ですね。びっくりした反面、うれしかったです。
■岩田翔吉選手との試合は当然見ているわけですよね。
高見 もちろんです。ちょうど今朝、映像でフルラウンド見ました。
■会場では、観戦していないのでしょうか?
高見 はい。技術がたくさんある選手なのかなって思います。他の試合を見ると、全然スタイルが違う戦い方をしていて、器用な選手だなと思います。勝つという部分では、プロとしてもボクサーとしても、しっかりとした仕事をしたのかなと思います。