■坂井選手は試合が終わった後も、感情を出さないイメージですが、一度だけ爆発させたのが、日本王座決定戦です。
坂井 初回に倒して2回に仕留めた試合ですね。突然の幕切れで、KO勝ちしたからじゃないですか。判定で勝つ時って「このままいけば勝つな」という展開で、「やっぱりそうか。よし、良かった良かった」とホッとするので、爆発する瞬間がないですね。際どい、判定だったらそうなる(爆発する)かもしれませんが。でも、際どい時は大体、負けていますね。
※2023年4月に重田裕紀(ワタナベ)との王座決定戦では2回TKO勝ちでタイトル獲得に成功
倒しにいく
■次戦は?
坂井 やっぱりKOを狙っていきますよ。
■それは意外です。
坂井 いつも狙っているといえば…、どこかのタイミングでいきたいですけど。とにかく勝ち切ること。あとは会場を盛り上げたいです。
■次戦の位置づけを教えてください。
坂井 勝つか負けるかで、今後のボクシング人生が変わってくる一戦です。何が何でも勝たないといけません。
■最後に試合への意気込みをお願いします。
坂井 バチバチに面白い試合を見せて、ベルトを奪います。
■どうもありがとうございました。
「ボクモバの目」
坂井は、静かでありながらも一本筋が通った熱い思いを持つ。坂井が持つ粘り強さと磨き上げた技術でタイトル奪還に静かに闘志を燃やす。これまでのキャリアを経て「勝ち切る」ために必要なことはわかっているはず。千載一遇のチャンスを掴んだ坂井の覚悟に注目したい。
<取材・構成/やすおかだいご>
<写真/Bobby・AndStill>