■田中選手は全勝全KO。一方、坂井選手は、これまでのキャリアでKO負けがありません。
田中 確かに倒したら評価は上がると思いますが、そこを狙ってしまうと、空回りするので。落ち着いて勝ちに徹します。形にはこだわりません。
KOにはこだわらない
■KOにはこだわらないと。
田中 チャンスが来たら。最初から倒しにいこうとは思いません。最後まで気を抜かず、チャレンジさせていただく気持ちで。
■初めてのメインイベンターを務めます。
田中 良い試合を見せたいですし、面白いと思ってもらえたらと思います。
■昨年の6月にデビューして、1年で東洋チャンピオンとなり、メキメキと頭角を表しています。
田中 はい。会長には感謝しかありません。
■この試合に向けて新しく取り入れたトレーニングはありますか?
田中 特にはないのですが、ディフェンス面など細かいことは、より意識しています。自分は結構、相手の映像を見る方なのですが。
■映像とリングで対峙したら、印象が違うので、見ないという選手もいますね。
田中 相手の癖は、そこまで変わらないので自分は見ますね。想定外のことがあっても、攻撃パターンがめちゃくちゃ変わるわけではないので。
■当日は、どのような試合を見せたいですか?
田中 「田中空の試合は面白い」と思ってもらえる試合。技術も見せたいですね。相手は実績があるベテラン選手なので、何度も言っていますが、挑戦させていただきます。
■謙虚過ぎませんか?
田中 いえいえ。本当に強いので本当に思っています。
■どうもありがとうございました。
「ボクモバの目」
田中が持つ誠実さと挑戦者精神に深い感銘を受けた。自分のスタイルを貫きながらも、冷静に次の一手を狙う成熟した戦略眼が印象的だった。ベテランを迎え撃つ試練の一戦。短期間で急成長した田中が見られるかもしれない。
<取材・構成/やすおかだいご>
<写真/YUSUKE・AndStill>