■サウスポーが苦手と言われるのは癪(しゃく)に触ると思いますが。
辰吉 自分としては、そんなに違和感はないんですけどね。たまたま負けた相手がサウスポーなだけで。まったくオーソドックスと同じというわけではないのですが、右利き同士だとジャブの差し合いになりますが、サウスポーだと、相手も待ちになるのでどちらかアクションを起こさないといけないというか。
サウスポーに違和感はない
■なるほど。
辰吉 僕が対戦したサウスポーが皆、独特だったので苦手というのはないですね。親父が(サウスポーが)苦手だと言われていたからですね。親父はむしろ得意だと言っていましたが。
■これまで何度か辰吉選手の取材をさせてもらっていますが、シャドーボクシング、スティックミット、サンドバッグ打ち、ミット打ちといつも同じメニューを黙々とやっています。
辰吉 そうですね。同じことをしていても100%はできていないので、次のメニューをやりたくないんですよね。
■対戦相手の印象を教えてください。
辰吉 フィリピン人らしいパンチを振ってくるタイプですね。もう負けるわけにはいかないのでね。勝ち続けるだけです。
■これからに向けて、何が足りないと思いましたか?
辰吉 練習中のちょっとした意識。ガードですね。ただ、覚えている中で全く差があるなとは思いませんでした。結果は圧倒的に負けていますが、天と地ほどの差があるとは思わなかった。逆の立場だったら、「負けているやん、何回すんねん」って思いますが。自分なりに手応えを感じたところもあるので。
■なるほど。
辰吉 しかし、ボクシングをしている以上、殴られるもんなんでね。それが怖かったらやらなかったらいいんですよ。