■正規王者は、出田裕一選手(38=三迫)です。同世代として刺激を受けると思いますが。
加藤 そうですね。出田選手は、諦めずにベルトを獲ったので刺激になりましたよ。そんな選手と戦えたらなと思いますし。出田選手と…、とはまだ言えないですね(笑)。中島選手に勝たないと始まらないので。まずは中島選手を攻略しないと。
勝つために鬼になる
■ベルトを奪うために必要なことを教えてください。
中島 覚悟じゃないですかね。自分は試合中に甘さが出ていたので鬼になること。
■試合まで1ヶ月切って毎日試合のことを考えると思いますが。
加藤 いろいろと考えますよ。「勝ったらどうするの?」とか聞かれますし、「年齢的に負けたら厳しいんじゃない」とも言われます。良いことも悪いことも考えます。
■加藤選手のパフォーマンスが落ちているようには見えませんが。
加藤 どうしても衰えている部分はありますが、そういう部分を会長や齋藤君と話し合いながら補う練習をしています。一人ではまず無理でしたね。感謝の気持ちを形にしたいですね。
■先ほど、話していましたが「会場を静かにさせる」というのはいいですね。
加藤 (笑)。いつも会長が言っていることなので。あまり倒そうとすると良いことがないので。技術で「あれっ?なんかパンチが当たらないな」となって黙らせられたらいいんじゃないっていう。もちろんチャンスがあったら倒したいですけど。あっ、なんか挑発的なことを言ってないですか!?そんな気がする!怖いなぁ!
■そのコメントをいただきました!
「ボクモバの目」
普段は穏やかな加藤だが、「お客さんをシーンとさせる」と言った時の目の奥にギラリとしたものを筆者は見逃さなかった。一つひとつのパラメーター的には中島の方が上だろう。しかし、ボクシングは戦力値だけで測れるものではない。加藤が17年間のキャリアと思いのすべて総動員して、攻略に全力を注ぐ。
<取材・構成/やすおかだいご>
<写真/>Kishimoto・Bobby・KIKO>