■今ボクサーは皆、ジムワークのほかにもいろいろなトレーニングに取り組んでいますからね。
谷口 そうですね。メンタルトレーニングもしています。やる前までは、「俺は強い!」とマインドコントロールをしていくのかなと思っていたのですが、そうではなくて。自分の趣向を整理してリスト化して、紐解いていくのです。ただ、これはできる人。例えば京口は、先生を介さなくても自分でできていると思います。
■先日、試合の解説をして好評だったと聞きしました。
谷口 そうみたいですね。うれしいです。
■解説をする際、気をつけていることを教えてください。
谷口 分かりやすく伝えることです。ボクシングに詳しくない人が聞いても「こういうことなんだ」と専門的にならないこと。あとは、ワタナベジムの選手が出ていたので、偏らないことを意識しました。解説の仕事はまたやりたいですね。自分のボクシングの再確認にもなります。
「マタドール」を広める
■「マタドール」というニックネームは、ピッタリでいいですね!
谷口 自分に合っていますよね。以前、佐竹さんという元チャンピオンがつけていました。佐竹さんは明石ジムだったのですが、昔アマチュアのフィットネスジムで練習していた時の会長さんが佐竹さんのトレーナーだったのです。佐竹さんが付けていたことを知らずに付けてもらったのですが、会長さんが、喜んでくださいました。マタドールを認知させていきたい。
※佐竹政一(元OPBF東洋太平洋スーパーライト級王者、2000年代に活躍した名王者でタイトルを9度防衛した)
■では、最後に試合への意気込みをお願いします。
谷口 3150FIGHTの一発目の世界戦で選ばれたのは嬉しいですし、光栄なことです。選ばれたからには、それに恥じない試合をしたい。大阪は地元ではないけど、関西で凱旋防衛ができる。変に力まないで「大阪でやるんだな」くらいの感覚で試合に臨みたい。テンションを上げ過ぎず下げ過ぎずフラットな状態で当日リングに上がりたいと思います。「これが本物なんだな」を見せます。
■どうもありがとうございました。
「ボクモバの目」
世界チャンピオンとなり、初防衛を果たし風格が出てきた谷口。良い意味での自信と余裕が感じられた。これからまだまだ強くなる。2023年最初の国内最初の世界戦で、谷口の"技"を堪能していただきたい。
<取材・構成/やすおかだいご>
<写真/>Kishimoto・Bobby・KIKO>