WBO(世界ボクシング機構)ミニマム級王者の谷口将隆(28=ワタナベ)は、1月6日(金)にエディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館・第1競技場)で開催される「3150FIGHTvol.4」のメインイベントで同級2位のメルビン・ジェルサエム(28=比)を迎えて2度目の防衛戦に臨む。
谷口は、今年4月に石澤開(M・T)に11回TKO勝ちし初防衛に成功。王者としての絶対的な強さを見せた。神戸出身の谷口にとって関西での試合は、日本王座決定戦以来、約5年9ヶ月ぶりとなる。世界チャンピオンになって1年が経過。心境の変化があったようだ。
■世界チャンピオンになってから1年が経ちました。心境の変化などはありますか?
谷口 京口(紘人)を近くで見ていて、「チャンピオンはこうあるべきなんだな」と。それは、京口の色だったり、僕の色だったりと違いますが、世界チャンピオンとして、格好良く見られないといけないと思う。側で京口を見ていて感じるようになりました。
世界王者として格好良く見られないといけない
■谷口選手は、どのようなチャンピオンを目指しているのでしょうか?
谷口 入門した時に内山さん、田口さん、河野さんがいて、格好良かった。そういう存在になりたい。
■2度目の防衛戦が決まりました。
谷口 試合間隔は空きましたが(9ヶ月ぶり)、原点に返ることができたというか。ボクシングが楽しいからやっている。好きだからやっているという気持ちに戻りました。4月の初防衛戦の時は「防衛しないといけない」という思いがあって。そこを乗り越えて、少し練習を休んで再開した時に「練習が楽しいな」と思った。ボクシングが好きなんだな、と再確認ができました。
■次戦は上位ランカーとの防衛戦になります。
谷口 噛み合うとは思います。倒しにかかるとか、チャンピオンとして調子に乗った試合をしてしまうと分が悪い戦いになると思います。
■ジェルサエム選手の印象を聞かせてください。
谷口 待ちのスタイルだけど、出てくるところはしっかりと出てくる。パンチ力もスピードもディフェンス力もある総合力が高い選手です。ずっと世界ランキング上位にいる選手ですので強いですよ。
■決戦の舞台がエディオンアリーナ大阪第1競技場になります。
谷口 小西選手と日本王座をかけて負けた会場ですね。さらに、試合が行われる1月6日は、アマチュア時代、大学リーグ戦の関東と関西による日本一を決める試合で負けています。勝てば当時、悔しかった思いを払拭できる。これまでだったら「負けた会場で負けた日にちで縁起が悪い」とネガティブになっていたのですが、「払拭できるじゃん」とプラスに捉えています。
■フィリピン人選手とは、これまで7度対戦しています。得意なのでは?
谷口 そんなにやっているのですね! いや〜、やっぱりサルダール戦がありますからね。勝って払拭したい。相手はテクニックがあり強くて評判が高くて、めちゃくちゃ警戒していますが、それでも当日は格の違いを見せつけたい。石澤戦を乗り越えてフワフワしていた自信の土台がしっかりとした実感があります。前回の試合から9ヶ月間で培ってきたものを当日見せたいと思います。
※2019年2月に当時のWBO世界ミニマム級王者のビック・サルダール(比)に挑戦し判定負け
サルダール戦を経て考え方が変わった
■谷口選手と話していてよく出てきますが、(谷口選手にとって)サルダール戦は大きかったのですね。
谷口 あの一戦で人生が変わりましたからね(笑)。思考から行動、ボクシングに対する向き合い方、何から何まで変わりました。本当に完敗でこれまで責任転嫁にしていたことを「自分に責任があるんだな」と。他に責任転嫁しなくなったことが自分の中で大きいです。