OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級15位の武居由樹(25=大橋)は、8月26日(金)に後楽園ホールで開催される「第91回フェニックスバトル」のメインイベントにおいて、OPBF王者のペテ・アポリナル(比国)に挑戦する。
元K-1ワールドグランプリ王者の実績を引っ提げ昨年3月にデビューした武居は、圧倒的な強さで4戦全勝(4KO)。毎試合インパクト大のKO劇で注目を集めている。
アポリナルは、元WBO-AP王者のジュンリエル・ラモナル(比国)にKO勝ちしベルトを巻いた新鋭でこれが初防衛戦となる。5戦目でタイトルに挑む武居に意気込みを聞いた。
■練習を見させてもらいましたが、シングルのパンチングボールを比較的長くしていましたが、以前からやっていましたか?
武居 はい。ボクシングを始めた時から八重樫さん(八重樫東トレーナー)に言われて取り入れています。キックボクシングジムには(シングルのパンチングボールは)ないと思います。段々、上手くなってきたかなと思いました。
■ミット打ちも和気藹々(わきあいあい)としながら独特のタイミングで打ったりしていましたね。
武居 自分自身が楽しみたいというのと、八重樫さんが合わせてくれています。ジムでも自分だけこういう雰囲気でやっているように感じます。
■ここまで4戦全勝(4KO)と完璧な内容ですが。
武居 戦績だけ見れば満足はしていますが、まだまだ課題だったり、完成はしていないです。課題の内容は言えないですが、たくさんあります。
■5戦目でタイトルマッチが決まりました。
武居 単純にうれしいですし、「来たか!」という感じですね。
早くベルトが欲しかった
■以前のインタビューで「手元にベルトがないのが寂しい」と話していましたね。
武居 そうですね。早く(ベルトを)欲しいと思っていたので、5戦目でのタイトルマッチはありがたいことですね。
■アポリナル選手の印象を聞かせてください。
武居 フィジカルも強そうですし、スピード、テクニックもある、怖さがあります。
■アポリナル選手は、井上尚弥選手のスパーリングパートナーとしてきていましたので、実際に見ることができましたね。
武居 はい。そこまでじっくりは見ていませんが、身体に厚みがあるなと思いました。動きが柔らかくてパワーも感じました。
■武居選手も柔らかい動きだと思いますが。
武居 違うタイプの柔らかさですね。
■ここまで豪快なKO勝ちを続けているので、次戦もノックアウトを期待されていると思いますが。
武居 期待の大きさを感じています。そこは責任を持って応えたいですし、力に変えて頑張りたい。毎回、必死です。早く倒すことに越したことはありませんが、今回の相手は、簡単ではありません。判定でもいいので勝つことが大事です。
KOよりとにかく勝つこと
■前戦は、得意とする右フックで倒しましたが試合後の取材で、「右フック以外で倒したかった」と話していましたね。
武居 そうですね。いろいろな武器があるところを見せたいので。ただ、次戦はどのパンチで倒すとか言っていられないです。とにかく全力を出すのみです。これまで八重樫さんと取り組んできたことを全部出すだけです。
■那須川天心選手がボクシングに転向するということで、比べられる部分もあると思いますが。
武居 そうですね。ただ、自分は自分でやっていくだけです。お互いが勝ち上がっていく中で、タイミングが合えばできたらなと思います。そのためにも負けられないです。
■他のジムの選手とはスパーリングをすることはあるのでしょうか?
武居 はい。前回の試合前は和氣さんや大湾選手としました。勉強になることばかりでまだまだです。
※和氣慎吾(FLARE山上=元日本・OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級王者)
※大湾硫斗(志成=日本スーパーバンタム級10位)
■ただ、試合を重ねるたびにボクシングにアジャストしていると思いますし、何より華があります。
武居 ありがとうございます。試合でもそうですが、魅せられるところは魅せていきたいと思っています。
■では、最後に試合への意気込みをお願いします。
武居 次で5戦目ですが、皆が期待してくれているので、しっかりと応えられるように勝ちます。
■どうもありがとうございました。
「ボクモバの目」
5戦目で掴んだチャンスに言葉を選びながら試合への意気込みを語った武居。前戦もそうだったが、相手をリスペクトして、警戒しているのが感じられた。長いラウンドの攻防も見たいが、序盤でのKO決着も見たい。ボクシング初のタイトルマッチに臨む武居から目が離せない。
<取材・構成/やすおかだいご>
<写真/>Kishimoto・KIKO>