■前戦、初回に偶然のバッティングで栗原選手が負傷しました。負傷ドローになるかもしれない中でどのようなことを考えながら戦っていましたか?
井上 「これは止められたらヤバいな」と。4ラウンドまでに止められたらドローでチャンピオンが防衛じゃないですか。なので、4回まではポイントを取りつつ慎重に戦いました。
※今年1月に栗原慶太(一力)に9回負傷判定勝ちで王座を獲得。井上は王座を返上し中嶋一輝(大橋)が王座決定戦でベルトを巻いたが、10月19日に栗原が3回TKO勝ちで王座返り咲きを果たした。
■過去のインタビューで栗原選手が「(井上選手は)ディフェンスが上手かった。自分がいかに引き出しが少なかったか痛感した」と、話していたのが印象的でした。
井上 本当ですか。そういう相手の意見を聞けるのはなかなかないので嬉しいですね。前戦は、打たせずに打つスタイルを見せることができましたが、もう少し攻めることができる場面もあったのでそこを修正していきたいです。
■井上選手はこれまで一度も日本人選手には負けていません。日本人と外国人選手で違うものはありますか?
井上 外国人選手は独特のリズムというか、思い切りが良いですね。日本人にない打ち方をしてきます。
■和氣選手はこれまで不利予想の時ほど、力を発揮しベルトを巻いてきましたが。
井上 和氣選手も年齢も年齢なので、ラストチャンスという思いで来るかもしれないですが、自分もこんなところで負けていられないので、それ以上の気持ちを出してぶつかっていきたい。
■目標は世界王座奪還ですが、その先に見据えているものを教えてください。
井上 目指すは世界チャンピオン。暫定ではなくて正規王座。そこのステージに上がってからがスタートなので、まずはそこに立つことです。
■次戦は、どのような試合を見せたいですか?
井上 相手が「何もできなかった」と言わせるような試合をしたい。打たせないで打ちます。
■どうもありがとうございました。
「ボクモバの目」
デビューから超ハードマッチメークで勝ち上がり、抜群の勝負強さを発揮してきた井上。次戦も9歳上の和氣を撃破し、再び世界を目指す。取材後の練習のミット打ちでは、コンパクトかつ一発一発に力強さを感じさせるように快音を響かせた。11月のビッグマッチでの井上の仕上がりに注目だ!
<取材・構成/やすおかだいご>
<写真/>Kishimoto・Bobby>