チャンピオンクラスが一同に集結した真の世界一を決めるWBSS(ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ)決勝戦。7日、さいたまスーパーアリーナに集まった2万人が見つめたリングにいるのは、日本ボクシング史上最高傑作"モンスター"井上尚弥(大橋)。そして、世界5階級制覇のレジェンド、"フィリピーノ・フラッシュ"ノニト・ドネア(36=比/米)。世界中が注目する歴史的一戦のゴングが打ち鳴らされた。
観衆:20000人
超満員に膨れ上がった観客が、井上の優勝を期待するなか試合がスタート。互いに距離の探り合いからパンチが交錯するたびに大歓声が沸き起こった。2回、ドネアの左フックを浴びた井上は左目上をカットしピンチになったが、その後は日本刀で斬り合うようなスリリングな攻防。5回、井上は右クロスでガクッと腰を沈めさせ連打で倒しに行くが、ドネアも左フックを振り抜き会場を沸かせた。8回、ドネアはプレスをかけてノーモーションの右をヒット。後手に回った井上は出血が激しくなった。9回、ドネアの右クロスで井上はバランスを崩しダウン寸前のピンチに陥るが、ここは距離を取り窮地をしのいだ。井上は11回、左ボディを炸裂させついにダウンを奪う。しかし、立ち上がったドネアは最後まで井上に迫り感動を呼ぶ試合は幕を閉じた。
■WBAスーパー・IBF世界バンタム級王者
■井上尚弥(大橋)
「2Rか3Rに左フックをもらってから、12Rまでずっとドネアが二重に見える感じだったが、骨には異常がないと思う。ポイントを取れているとの計算で、捨てるラウンドを作って、ラスト3ラウンドを取ればいいと思いました。ドネアと戦えたことは一番の経験になりました」
■元世界5階級制覇王者
■ノニト・ドネア(比/米)
「彼が真のチャンピオンであると証明した試合だった。あれだけ私のパンチに耐えた選手は初めてだった。おめでとうと言いたい」
■WBSSカレ・ザワーランドプロモーター
「我々は井上尚弥が成し遂げたことを誇りに思う。ドネア選手の経験を活かした戦いも素晴らしかった。井上尚弥選手がアリトロフィーを掲げたことに最大限の賛辞を贈ります」
■トップランク社
■トッド・デュボフ社長
「井上尚弥選手をずっとフォローしてきましたが、この度複数年の契約をすることになりました。我々はアメリカで年間36回の大きな試合をしていますが、その中に井上尚弥選手が加わってくれることを、光栄に思います」