■スパーリングでも倒しにいくそうですね。
井上 最近は、そこまで倒しにはいかないですよ。以前は倒しに行くと言っていましたが、今は自分の距離と技術のチェックに重点を置いています。どのようにロドリゲスと戦うのかを考えながらやっています。相手が変わればまた、スパーのやり方も変わってきます。
■1歳半になるお子さんは、テレビでボクシングを見たりしますか?
井上 見ますよ。グローブをつけてミット打ちもしたりします。家でもテレビで「ボクシングをつけて」ってせがんできます。
■将来、息子さんにボクシングをさせたいですか?
井上 いえ、それはないですね。もうそろそろグローブを片付けないといけないですね(笑)。趣味でやるなら良いんですよ。ただ、本格的にやるとなると、自分がボクシングを始めた時の環境ではないじゃないですか。自分は誰からも期待もされずに、のほほんとやれましたがそうはいかないですから。小さい頃からプレッシャーを感じていたらストレスになってしまいますよね。
■疲れた時に帰って子どもの寝顔を見ると癒されますよね。
井上 癒されますよ。すごく可愛いですよ。
■では最後に試合への意気込みをお願いします。
井上 WBSS準決勝まで残り1ヶ月半となりました。必ず勝って日本に戻って来られるように頑張ります。
■期待しています。どうもありがとうございました。
「ボクモバの目」
初の英国遠征でキャリア最大の強敵を迎える井上だが、まったく気負うことなく順調な仕上がりで、さすがの王者の風格を感じさせた。ここ2戦は初回KOで圧倒的な強さを見せているが、スパーリングでは「判定決着のことを考えてやっている」とフルラウンドの戦いを示唆した。次戦は高度な駆け引きを見せて、井上のボクシングの奥深さを堪能させてくれるに違いない。その上で同じ階級のチャンピオンを相手に豪快な倒しっぷりを見せてくれたら…。想像するだけで楽しめる。1ヶ月後の一戦が待ち遠しい。
<取材・構成/やすおかだいご>
<写真/KISHIMOTO>