■東京では、そのフィジカルトレーニングは行っていないのでしょうか?
八重樫 宿題をもらって東京でやります。その2泊3日のトレーニングは相当ハードです。そこである程度、強制的に体に覚えさせるのです。そこから後は自分で伸びしろを作っていきます。2泊3日では強くはなれません。そういう意味ではやり方を聞きに行っている感じです。現状のコンディショニング、体の癖だったり、どこの部分が強くてどこが弱いのかを確認しながら、その時に効果のあるトレーニングをします。
■米国では9月に「Superfly3」が開催されます。この階級で世界を目指すとなれば気になるのではないでしょうか?
八重樫 海外ですか?調整しづらそうですね(苦笑)。いろいろなことを試せる場だとは思うんですけどね。場所がどうというか…、結局は誰とやるかですよね。
■以前インタビューした時、「こんなに長くボクシングをやっていると思いましたか?」という質問に対し、「思っているわけないじゃないですか(笑)」と答えていましたね。
八重樫 そりゃそうですよ。ただ、やっと今年になって自分の方向、歩く道が決まったので。あとはやるだけです。
■では最後に試合への意気込みをお願いします。
八重樫 生き残ればチャンスは絶対にきますから、僅差でもいいのでとにかく勝つ。相手をなぎ倒して圧倒的に勝ち進んでいくスタイルではないですから。負けたら終わりなので形はどうあれ、なりふり構わず勝ちにいきますよ。
■どうもありがとうございました。
「ボクモバの目」
体格差はあるが、八重樫はスーパーフライ級でも戦っていけるのか?そこが一番の注目ポイントだろう。松本好二トレーナーとの入念なミット打ちで向井対策に講じていた。これまで何度か限界説が流れたが、その度に復活を遂げファンの胸に焼きつける試合を見せてきた八重樫。「どんな形でもいいから勝ち残る」と語った八重樫に、この試合にかける覚悟を感じた。17日は両者の気持ちがぶつかり合う激戦になるのは間違いない。
<取材・構成・写真/やすおかだいご>
<試合写真/ボビー>