■浩樹選手から見た井上尚弥選手のすごいところはどこだと思いますか?
井上 相手が嫌だなと思うところを見つけるのが早いです。今ここを打たれたら嫌だというのを即座に判断できる。全体が見えていますね。ジャブを絶対に当てられる。ジャブがしっかり伸びて、微妙にリズムをずらしたりして、相手を混乱させる。そこから全体を把握してどこを打てば相手が嫌がるか。
■オタクボクサーとして今年はテレビ出演もしていますが、いつからアニメが好きになったのですか?
井上 元々、4歳上の兄とずっと見ていたので、それが普通なのかなと思っていましたが、今考えるとすごく多いんだなと。当時はVHSのビデオテープを録画して溜めていたので、すごい数になりました。ゲームも好きで、かなりやっていましたね。昔は絵ばかり描いていて、尚弥には「性格的にボクサーより漫画家の方がいいよ」と言われたりもしました(笑)。ずっとアニメを見ているので時間が足りません(笑)。アニメか睡眠かボクシングという生活です。
■性格的にというと?
井上 奴ら(井上兄弟)みたいにイケイケじゃないんです。ちょっとしたトレーニングでも3人で競うのがあったりすると、奴らは絶対に勝ってやるという気持ちがある。僕が負け役みたいになっています。大体、自分が負けてみんなが笑うという感じになります。あっ!アニメの話はもう大丈夫ですか?(笑)。
■では…、アニメの魅力とは?
井上 自分にとっての癒しと人生の教科書ですね。生き方や感情を教えてくれるものです。
■初心者にもスッと入れる井上選手のオススメの作品は?
井上 アクションだったら「喰霊-零」という作品です。12話で短い話ですが、ワンクールものだとすぐに思い浮かびますね。たしか0話からあるのですが、それからの流れが秀逸ですね!
■ボクシングから話が逸れたのですが…、最後に意気込みをお願いします。
井上 アニメを50作くらい見る!
■いえ、アニメでなくてボクシングの方です(笑)
井上 あれっ?(笑)。次戦の相手はどんな選手かわからないので警戒しつつ、みんなが盛り上がって楽しんでくれるような試合をしていきたいです。
■どうもありがとうございました。
「ボクモバの目」
大好きなアニメの話になると話が止まらない井上だが、インタビュー後の練習では後輩にアドバイスを送りボクシングへの熱さを感じさせた。本人も言うようにスーパーライト級でのスピード力はトップクラスだ。着実にキャリアも積んでいる。あとは大舞台のチャンスがきたらしっかりものにするだけだ!
<取材・構成/やすおかだいご>
<写真/KIKO>