前日本ライト級王者の今永虎雅(26=大橋)が、12月27日(土)にサウジアラビア・リヤドのモハメドサブドゥー・アリーナで開催される「THE RING V: NIGHT OF THE SAMURAI」で、WBO(世界ボクシング機構)スーパーフェザー級10位のエリドソン・ガルシア(ドミニカ共和国)と対戦する。
当初予定されていたアルマンド・マルティネス・ラビ(30=キューバ)が出入国に関する懸念で欠場となり、ガルシア戦に変更。しかし今永は動じることなく、むしろ世界ランカーとの一戦に照準を合わせた。
今永は9月の王座決定戦で日本ライト級タイトルを獲得後、即座に返上し、世界ランク上位との対戦を選択。サウジでの大舞台は、キャリアを押し上げる絶好のチャンスとなる。
ライト級の「壁」を語る声もあるが、今永の考えは明快だ。「同じ人間。思い込みがブレーキになっている」格上との対戦を恐れず、むしろ楽しむ姿勢が印象的だった。
この一戦をものにすれば、一気に世界戦線が視野に入る。今永虎雅の挑戦は、いよいよ次のステージへ進みつつある。
※インタビューは相手変更が発表された12月6日より前に実施したものです。
■井上尚弥選手や中谷潤人選手、寺地拳四朗選手、堤駿斗選手・麗斗選手と共に発表会見を出席してみて。
今永 あのような大きな規模の記者会見は初めてですね。やっと、ボクサーぽいというか。自分が憧れていた大きな舞台に立てることがうれしいです。多少は緊張しましたが、たいして喋ることもなかったので。
■最初にサウジアラビアでの話を聞いた時の心境を聞かせてください。
今永 元々、出たいと思っていて、八重樫さん(八重樫東トレーナー)に「出たいんですよねぇ」と言っていたら本当に話が来ました。「よっしゃ!」と思いました。
■アマチュア時代に海外での試合経験は?
今永 あります。タイ、ウズベキスタン、ロシア、カザフスタン、韓国。あとセルビア。慣れていますね。
■日本タイトルを獲って、プロボクサーとして一つ形になるものを手にしました。
今永 周りの人たちも喜んでくれるし、「プロボクサー」って言うよりも「日本チャンピオン」と言う方が反応が良いです。ただ、大橋ジムは尚弥さんを筆頭に周りの先輩がすごいので。日本チャンピオンではまだまだ満足していません。返上することにも躊躇いはなかったです。もっと上のレベルで戦えるのですから。
■9月にベルトを獲って休む期間もなく、世界上位ランカーとの対戦です。
今永 あっという間です。なんか最近試合をした感覚ですね。
■マルティネス選手の印象を教えてください。
今永 世界ランカーなだけあってテクニックがあって強いです。パワーやスピードではなく、駆け引きやタイミング、距離感が良い選手だなと思います。