[試合後談話]2017.11.4
チャンピオンカーニバル出場を懸けて
激しいペース争い
 後楽園ホールで開催された「ダイナミックグローブ」では、来年のチャンピオンカーニバル出場を目指し、日本上位ランカーがし烈な争いを繰り広げた。日本スーパーバンタム級挑戦者決定戦では同級1位の中川勇太(28=角海老宝石)と同級2位の石本康隆(36=帝拳)が対戦。さらに日本ミドル級挑戦者決定戦では同級1位の福本祥馬(26=角海老宝石)と同級2位の竹迫司登(26=ワールドスポーツ)が激突した。
途中から腹を括れた
 中川がジャブから右アッパー、右ストレートを伸ばしペースを掌握。3回、石本は右ストレートを決めて反撃に転じると、中盤は右ストレート、左ボディの見栄えが良くポイントを連取した。7回、中川はジャブから組み立て盛り返したが石本も果敢に打ち合った。ジャッジに委ねられた採点は割れたが石本を支持。接戦を制した石本は歓喜の涙を流した。

 右目上を冷やしながら会見に臨んだ石本は「負けたような姿だけど勝ってホッとしている。初回に右目の視界が塞がるアクシデントがあり心が折れそうになったが、セコンドの声が支えになった。勇気を持って踏み込んだ右ストレートが良かった」と会心の笑みを浮かべた。来年、同級王者の久我勇作(26=ワタナベ)との3度目の対戦(1勝1敗)が濃厚だが「今日の内容では厳しい戦いになる。ゆっくり休んでから一から作り上げ
ていきたい」と決意を口にした。
久我勇作(ワタナベ)
 この試合をリングサイドで観戦した久我は「ギリギリまで見に行くか迷ったが来て良かった。どっちが勝ったかわからない展開で自分の採点はイーブンだった。最後は石本選手の気持ちが上回った。今日の試合でいろいろ見えた部分もあった。自分も去年とは違うので連勝したい」と感想を語り、ライバルとの決着戦に必勝を誓った。
竹迫、恐るべし
 ともにタイトル初挑戦を目指すミドル級の一戦はゴングと同時に上下にパンチを散らし重量級らしい迫力のある打ち合いを展開。すると、1分過ぎに竹迫の右ストレートが炸裂!アゴにもらった福本は前のめりに倒れた。立ち上がろうとしたが、ダメージの深さを考慮したレフェリーが試合をストップした。
7戦すべて3R以内にKO勝ち!
 見事なワンパンチKOで挑戦権を手にした竹迫は「(ダウンを奪った)右は抜けた感じで手応えはなかった。自分のパンチが見えていないと思ったので攻めていこうと思った」と淡々と試合を振り返った。ベルトに王手をかけた竹迫は「相手はタフだと聞いている。作戦は会長とトレーナーに任せている。自分はしっかりと戦うだけ」とチーム一丸で勝ちにいくと話した。
西田光(川崎新田)
 この試合を観戦した日本ミドル級王者の西田光(30=川崎新田)は「偵察するために来たのですが、もう少し見たかった。いや…、困りました」と苦笑い。「(竹迫選手は)パンチがあるのでダウンをするかもしれないですが頑張ります」と来年のチャンピオンカーニバルで対戦する指名挑戦者に警戒心を強めた。