[調印式&会見]2015.12.27
井上「差をつけて勝つ」
ダブル世界戦調印式
 WBO世界スーパーフライ級王座の初防衛戦(29日、東京・有明コロシアム)を2日後に控えた井上尚弥(22=大橋)が27日、同級1位の挑戦者ワルリト・パレナス(32=比)とともに都内のホテルで調印式と共同会見に臨んだ。衝撃の戴冠から1年、右拳の傷が癒えた井上は「いくつもの引き出しを持って戦う。差をつけて勝ち、『やっぱり井上だな』という試合をする」と自信をみせた。
※井上対パレナス、IBFライトフライ級タイトルマッチ、ハビエル・メンドサ(メキシコ)対八重樫東(大橋)のダブル世界戦は29日(火)午後7時からフジテレビ系で生中継の予定
挑戦者のパレナス
 1週間前の公開練習時と比較すると大きく頬が削げた印象の井上だが、コンディションは良さそうだ。会見の途中でコップの水を少量ながら口に含むなど、計量を翌日に控えて順調な調整を印象づけた。「過去で一番落ち着いているが、淡々と燃えている感じ」と井上は現在の心境を表現した。試合に関しては「判定でもKOでもいい。いくつもの引き出しを持ってやれると思うので、リング上で考えて戦う。自分のストロング・ポイントはスピード。1年間、みっちりやってきたので自分でも試合が楽しみ。しっかりしたかたちで差をつけて勝ちたい」と意気込んだ。
尚弥、グローブは黒
 赤いジャージー姿で会見に臨んだ井上に対し、パレナスはスーツにネクタイを着用して会見に出席した。王者よりも10歳年長の挑戦者は「井上のような新世代のチャンピオンと対戦できるので楽しみだ。厳しい試合になると思うが、それはお互いさま。ディフェンス面も強化したし、100%の仕上がり。エキサイティングな試合をしてチャンピオンになる」と強い決意を口にした。そして「スピードは井上の方が上だと思うし、彼が強いということは分かっている。でも、私にはその上を行くパワーがある。KOで長年の夢を実現させる」と事実上のKO宣言まで飛び出した。
尚弥、1年ぶりのリングへ
 なお、井上対パレナスの試合は米国で行われる際に採用される通称「ABCルール」が採用され、3ノックダウンは適用されない。日本製の8オンス・グローブを使用し、井上が黒、パレナスが青を着用する。レフェリーはマイケル・オルテガ氏(米)、ジャッジはパトリック・ラッセル、リーバイ・マルチネス、パトリック・モーレーの米国人3氏が担当する。戦績は井上が8戦全勝(7KO)、パレナスが31戦24勝(21KO)6敗1分。