[立ち話]2015.9.17
鈴木のプロ根性
京都に荒川仁人がいた。
 11月2日(月)に開催される最強後楽園ミリオンマッチに出場する荒川仁人(ワタナベ)が16日、京都で行われたライト級日本タイトルマッチの観戦に訪れていた。
最後に仕留めにいった鈴木だったが…
 10回戦で行われる日本タイトルマッチは、5ラウンド終了時の途中採点が公表される。ジャッジ三者ともにチャレンジャーの鈴木悠平(真正)を支持していた16日の試合。チャンピオン徳永幸大(Woz)はポイント差を埋め尽くすまでの動きは披露することなく、このまま終了のゴングを迎えるかに見えた。しかし、リング上の激しい攻防戦で鈴木の体力は限界にまできていた。

   ラストラウンド。

 「もし…」はないボクシングで「もし、鈴木が足を使ってポイントアウトを狙っていたら」。「もし、鈴木がタイトルだけにこだって、徳永を倒しに前に出なかったら」。試合後の採点表では、9回を終えた時点で鈴木がポイントで上回っていた。
採点表
 「判定までいってたら鈴木くんが勝ってたと思いますよ」。逆転ノックアウト決着直後の荒川仁人は驚きと興奮を隠さなかった。「ボクシングの醍醐味ですね。最後に勝負にいった鈴木くんにはプロ根性があるから結果はしょうがない」と、勝ちではなく、倒すことにこだわった鈴木のファイティングスピリッツを称えた。
多田悦子とツーショット
 「いい試合でしたね。でも僕は次勝たないと挑戦できませんからね」と11月2日の杉崎由夜(角海老宝石)戦に気持ちを切り替えて会場を後にした。