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大晦日にWBA世界スーパーフェザー級王者、内山高志(ワタナベ)に挑む日本同級王者の金子大樹(横浜光)が27日、横浜市鶴見にある横浜光ジムで報道陣に練習を公開した。
ジャブも鋭い
1ラウンドの公開スパーとミット打ちで右ストレートと左ボディの軌道を確認した金子は、当時のWBC世界スーパーフライ級王者、佐藤洋太(元協栄)に同門の赤穂亮が挑戦した昨年の大晦日を振り返り「来年は自分が世界挑戦するんだと思って、心の準備をしてきた」と、不利と予想される下馬評を一掃した。
鍛えぬいた脚
スーパーフェザー級の中では長身の金子は、体格で内山と似ているだけではなく、左ジャブから組み立てるファイトスタイルに加えて右ストレートの破壊力を持ち合わせることから、次世代の内山高志として、これまでボクシングファンの注目を集めてきた。また、日本王座の防衛を重ねる中で成長を続ける金子は、ボクシングに取り組む姿勢でも高い評価を受ける内山の東洋太平洋王者時代を思い出させる。
横浜光に栄光のベルトを
世界戦発表会見の後、ルディ・エルナンデストレーナーを師事する金子は米国に渡って大晦日の大一番に備えた。パンチの打ち方や体の使い方など、論理的な技術指導を受けてきた金子は普段の試合前よりも多めの130ラウンドのスパーを消化してきたという。試合数では内山との経験の差を埋め合わせることはできない25歳の挑戦者は、世界の強豪とのスパーでどこまで、差を詰めてきたのか。
鋭い視線の内山陣営
この日の公開練習には世界チャンピオン内山高志の所属するワタナベジムから佐々木修平トレーナーほか二人のトレーナーの姿があった。公開練習で手の内を披露することはないと思われるが「調整具合とクセの確認に来た」と話した内山陣営。大晦日の決戦に向けて臨戦態勢に入ったことがうかがえた。
この右を味わえ
かつて世間の脚光を浴びた元WBA世界スーパーフェザー級チャンピオン畑山隆則に憧れて、中学卒業後、16歳で愛知から上京してきた金子は「畑山さんが持っていた同じベルトを横浜光に取り戻す」と、自然と力が入った。「勝てないだろうと思われる中で挑んでいくのがボクシング」と話した金子大樹の挑戦に注目したい。