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WBA(世界ボクシング協会)世界バンタム級2位の堤聖也(28=角海老宝石)が4日、都内のジムで練習を公開し、今月13日(日)に迎える世界初挑戦に向けて、順調な仕上がりをアピールした。
堤にとって、今回の対戦相手であるチャンピオンの井上拓真(28=大橋)は、学生時代に敗北を喫した因縁の相手。12年越しとなるリベンジの機会を迎え、勝利への自信が伝わってきた。
試合は、東京・有明アリーナで行われ、アマプラがライブ配信する。
練習前に取材に応じた堤は、世界戦前の公開練習などの行事を経験したことに「世界戦だなと思いました。いいですね」と気持ちを高めた。
これまで、ジェイソン・マロニー(33=豪)をはじめ、寺地拳四朗(32=BMB)や小國以載(36=角海老宝石)など、世界チャンピオンを歴任してきたトップ選手たちとの合計112ラウンドのスパーリングにも手応えを感じていた。
勝負のカギとして、「拓真選手は、スピードとディフェンス力があって、ボクシングのスキルが高く、冷静だし、瞬間瞬間の選択が優れているが、チャンスが来る場面を逃さないで、どう自分のリズムで土俵に持っていくか。全体的時間では、拓真選手の方が上だと思うが、瞬間瞬間で、スピードなど、どれか上回れば、展開がズレるので崩れていく」と語った。
記者から構えをスイッチする堤対策のために、井上尚弥(31=大橋)が一肌脱いでいることを聞かされると、「その手があったか、でも、自分はそんなに上手くないし、そんなに速くないので、思ったより下手くそで、そこにズレを生ますことができるかな」と、笑いながら答えた。
この日は、シャドーとミット打ちを公開した堤だが、サウスポーの構えで石原雄太トレーナーとミット打ちを始めると、視察に訪れた大橋秀行会長は、「サウスポーできたね」と堤陣営のインテリジェンスの高さを評価、囲み取材では、「堤選手は、人間力、目に見えないパワーや力がある。力強さを感じる。魂と魂の戦い、いい試合になる」と警戒したが、スイッチすることに関しては、「拓真は修正力が高いし、経験も豊富なので、苦にはしない」とも話した。
ジェイソン・マロニーは、堤の勝利を確信!
明日、ラスト6ラウンドのスパーリングの相手を務めるマロニーは、「堤が勝つと思うよ。彼は今、とてもハングリーでフィットしている」と堤を見守った。また、「自分もまた日本で試合がしたいね」と、自らをアピールすることも忘れなかった。
石原雄太トレーナーは、「世界戦が決まってから、モチベーションが高い。気持ちを切らずにスパーリングができた。短期間で伸びた部分が大きいので、それが出れば勝てると思う」と、世界初挑戦ながらも、堤が世界の壁を越えることにも自信を示し、「かなり仕上がってる。堤聖也のボクシングが完成してきた。過去最高の堤が見せられる。劣勢からどうパンチを当てていくかを一番見てほしい」と目を輝かせた。
12年越しのリベンジのチャンスではあるが、堤は「一番にはなってないという劣等感が原動力になっていて、リベンジは付録みたいなもの。今は、強い拓真選手と試合ができるのが楽しみ」と胸の内を明かした。その上で、「このコンディションで、今の時点でジェイソンともしっかりスパーリングできること、動けることが何より大きい。野菜を摂るようになって、コンディションが良い。リミットまで4キロなので順調」と、体質改善できたことにも自信示した。