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[公開練習]2024.7.12

ハングリーなジョナサン・ロドリゲス!

 WBA(世界ボクシング協会)バンタム級4位で那須川天心(25=帝拳)と対戦するジョナサン・ロドリゲス(25=米)が12日、都内の帝拳ジムで公開練習に臨んだ。

 7月20日(土)、両国国技館で開催される「Prime Video Boxing 第9弾」に出場するロドリゲスは、これまでの壮絶な人生をポツリポツリと語った。

フィラデルフィアで育った
 ロドリゲスが幼少期を過ごした米国ペンシルベニア州フィラデルフィアは、映画「ロッキー」の舞台として有名だ。ロドリゲスもロッキーに憧れていたという。しかし、幼い頃はかなり苦労したようだ。プエルトリコで生まれて、8歳の時に一家でニューヨークに移住したが、家計は貧しく、「貧しくて食事を友達に分けてもらうこともあった」(ロドリゲス)アルコール依存症の父から虐待を受けて、逃げるようにフィラデルフィアに移り住んだ。

貧困から抜け出すためボクシングを始めた

 12歳でボクシングを始めたが、ジムでは何もせず泣いてばかりいるロドリゲスを見かねたインディオトレーナーが声をかけたことがきっかけで、コンビを組むことになった。そして、インディオ氏はロドリゲスが18歳のとき、自分の養子として迎え入れた。
「私の方はキャリアがある」
 インディオトレーナーは、「ロドリゲスは、とても謙虚な青年。貧しい中でここまで育ってくれて嬉しい」と優しい目を向け、「(ジョナサンは)すべてにおいて、レベルが高く穴がない。常に努力を積み重ねてきて、今回のチャンスを掴んだ」と、那須川を撃破して世界挑戦をアピールする。

 那須川の印象を聞かれたロドリゲスは、「スピードがある強いファイター」と話すと、「 特に自分が何が優れているとは 言わないが、一つ言えることは私の方がボクシングでのキャリアが上回っている」と落ち着いた表情で淡々と語った。
「右以外にも武器はある」
 昨年11月、元WBA世界スーパーフライ級王者のカリド・ヤファイ(35=英)を相手に、右オーバーハンドでダウンを奪い、初回KO勝ちした。ロドリゲスは「右は自分の強みだが、他にも武器はある。それが何かは試合当日をお楽しみに」とだけ言った。終始、物静かで大きなことを言わないのが、かえって不気味さを感じさせた。
左フックにも要警戒!
 会見後には、シャドーとミット打ちを2ラウンドずつ披露。規則正しいフォームから伸びのある右ストレートを叩き込むと、サイドにスッと回り込んで、コンパクトな左フックを突き刺した。
粟生隆寛トレーナー
 那須川とコンビを組む粟生隆寛トレーナーは、「本気で動いていたわけではないので、得に何も感じなかった」と前置きした上で、「雰囲気としては勝てるなと。自分がタイベルトと対面した時に雰囲気が似ている」と、粟生トレーナーが現役時代、ビタリ・タイベルト(ドイツ)に判定勝ちし、世界2階級制覇を達成した時のことを引き合いに出した。

 粟生トレーナーは、「特別スピードは感じなかった。右のロングと近距離での左フックを警戒しながら、中間距離で勝負させたい。天心はここにきて調子が上がってきて、良い感じでハマってきた」と、那須川のコンディションを伝えた。

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