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[試合後会見]2024.4.2

KO決着で新チャンピオン誕生!

 日本バンタム級1位の富施郁哉(25=ワタナベ)と同級2位の杉本太一(25=勝輝)が2日、後楽園ホールで開催された「DANGAN265」のメインイベントで空位の王座を争った。

 これまで数多くの名チャンピオンが誕生してきた日本バンタム級王座。勝利の女神が微笑んだのはーー。
富施郁哉(ワタナベ)がKO勝ち!
 序盤は、距離の探り合いで比較的静かなスタート。3回、サウスポー富施がジャブからワンツーにつなげると、左アッパーで迎え撃ちペースを掌握。4回、杉本は左フックで反撃に転じたが、富施は冷静に対応すると、5回に左ボディストレートから左ストレートを振り抜き、ダウンを演出。再開後、左ストレートで杉本をキャンバスに沈めた。
「ここまで長かった」
 「2017年に全日本新人王を獲ってから、ここまで本当に長かった。勝てて本当に良かった」と全日本新人王、日本ユース王座。そして、日本タイトル獲得と王道を突き進む新チャンピオンは喜びに浸った。

 勝利が決まった瞬間、「町田先生の顔を見たら、うれしさをこらえきれなくなって」とリング上で歓喜の涙を流した。富施は、18歳で数々の名チャンピオンを輩出した名門・ヨネクラジムに入門。その時から町田主計トレーナーに指導を受けている。ヨネクラジムは、2017年8月に54年の長い歴史に幕を閉じたが、ワタナベジムに移籍後も二人三脚で歩んできた。

ヨネクラジム時代からコンビを組む

 町田トレーナーは「(富施は)プライベートでも重岡兄弟(重岡優大・銀次朗)と仲が良く、自分も追いつきたい気持ちがあったと思う。勝てて本当に良かった」と愛弟子の戴冠を喜んだ。重岡兄弟を担当する町田トレーナーは、3月31日(日)に防衛戦を終えたばかりで中2日でこの日を迎えた。「嵐のような毎日が一旦、落ち着きますね」(町田トレーナー)
「バンタム級で名前を売っていく」
 サブセコンドには銀次朗が付き、アドバイスを送った。富施は「いつもセコンドに付いてくれて、めちゃくちゃ心強い」と感謝した。

重岡銀次朗がサブセコンド

 バンタム級は今、最も熱い階級だ。WBA王者に井上拓真(28=大橋)、WBC王者に中谷潤人(26=M・T)が君臨しており、世界挑戦するIBF1位の西田凌佑(27=六島)、WBO5位の武居由樹(27=大橋)、WBA1位の石田匠(32=井岡)。これに比嘉大吾(28=志成)、堤聖也(28=角海老宝石)、OPBF王者栗原慶太(31=一力)、那須川天心(25=帝拳)、増田陸(26=帝拳)が続く。「自分もこの中に入っていきたい」。群雄割拠のバンタム級で名前を売っていくつもりだ。
「距離が遠かった」
 一方、KO負けを喫した杉本は「とにかく相手の距離が遠く感じた。タイミングを変えて打ったが対応されてしまい、次第にパンチを合わされてしまった。最後はボディを効かされた。タイトルの壁は遠かった」と唇を噛み締めた。
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