井上尚弥とバトラーが計量をパス!

　バンタム級4団体統一戦の前日計量が12日、横浜市内のホテルで行われ、WBA(世界ボクシング協会)スーパー、WBC(世界ボクシング評議会)、IBF(国際ボクシング連盟)同級王者の井上尚弥(29=大橋)とWBO(世界ボクシング機構)同級王者のポール・バトラー(33=英)が対峙した。井上は100gアンダーの53.4�s、バトラーはリミットちょうどの53.5�sでクリアした。

　井上が4団体統一を達成すれば、日本ボクシング史上初、世界では9人目の快挙。さらにKOで勝てばベルトを1本ずつ、すべて他団体のチャンピオンからKOで獲得することになり、史上初めて。さらにバンタム級で、4団体統一王者誕生も史上初めてのこと。

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　より正確な数字が出るデジタル体重計での計量。30gオーバーした井上は、一旦、計量会場から出ると5分後に戻り、100gアンダーの53.4�sでクリアした。囲み取材に応じた井上は「(オーバーは)初めてですね。小ネタができていいんじゃないですか」と苦笑いを浮かべた。ホテルの部屋やジムで測った時はリミットちょうどだったが、バトラー陣営の希望で急きょデジタル体重計に変更になったという。

　大橋秀行会長は「(30gオーバーで)パンツを脱げば問題なかったが、そこはチャンピオンのプライドがあるから。『井上尚弥、30gオーバーでピンチ!』と書いてもらえたら、より盛り上がるのではないか」とまったく気にしていなかった。

　約20秒のフェイスオフでは、お互いに目を離さず、最後は拳を突き合わせて、明日の健闘を誓い合った。バトラーの印象を聞かれた井上は「実力のある選手。自信もあるのだと思う。風格もあるし、油断せずに、気を引き締めていきたい」と語った。

　これまで3人の他団体王者(WBA王者ジェイミー・マクドネル(英国)、IBF王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)、WBC王者ノニト・ドネア(比/米)を合計5ラウンドで倒してきた。

　明日も、早いラウンドでの決着が期待される中、「(初回から)火を噴かせる作戦もあるし、様子を見る作戦もある。向かい合ってからの直観力で攻めたい。バトラーは彼なりに、決められたボクシングがあると思うが、自分にはそれがない。行くこともできるし、引くこともできる。直感で決めたい。行くかどうかは明日、リングで決める」と言葉に力を込めた。

　一方のバトラーは「この試合に向けて、12週間のトレーニングを積んできた。明日は仕上げてきた姿を見せる」と話すと、早々に会場を後にした。

　計量後には、ルールミーティングが行われた。井上が黒色のメキシコ製(レイジェス)、バトラーが白色のパキスタン製(RDX)のグローブを選択。公開採点なし、IBFが設けている当日計量は行われない。

オフィシャル
バンタム級4団体統一戦
レフェリー:ベンス・コバックス(ハンガリー)
ジャッジ:ロナルド・マクネイル(米国)
ジャッジ:イグナシオ・ロブレス(パナマ)
ジャッジ:フェルナンド・バルボサ(米国)

■検診結果
3団体統一王者:井上尚弥(大橋)
血圧:129/80mm/Hg
脈拍:61/min
体温:36.5℃

WBO世界バンタム級王者
ポール・バトラー(英国)
血圧:134/86mm/Hg
脈拍:70/min
体温:36.3℃

　2018年5月25日(金)、マクドネルに初回KO勝ちし、WBA世界バンタム級王座を奪取してから、約4年7ヶ月、1663日で迎えたバンタム級の集大成となる一戦。歴史的瞬間を目に焼きつけよう!