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[海外情報]2017.1.2

17年 世界のボクシング展望2

 今年もすでに数多くの世界戦が決定している。4月までで特に注目したいのがマニー・パッキャオ(38=比)のいるウェルター級、ゲンナディ・ゴロフキン(34=カザフスタン/米)を中心としたミドル級、そしてデオンタイ・ワイルダー(31=米)とアンソニー・ジョシュア(27=英)が王座に君臨するヘビー級である。
ウラジミール・クリチコ
 ヘビー級は4月29日に英国ロンドンで行われるアンソニー・ジョシュア(英)対ウラジミール・クリチコ(ウクライナ)の世代間対決に大きな注目が集まる。12年ロンドン五輪覇者のジョシュアが27歳、96年アトランタ五輪金メダリストのクリチコが41歳(試合時)。若さと勢いが勝るのか、それとも元王者の経験が凌駕するのか。
ルイス・オルティス
 ここでジョシュアがプロデビューからの連続KO勝ちを19に伸ばすようだと、一気に新時代が到来しそうだ。その前にWBC王者のワイルダーが2月のV5戦をクリアする可能性が高く、17年後半には両者の直接対決の機運が盛り上がるものと思われる。その前にジョシュアは前WBA暫定王者ルイス・オルティス(キューバ/米)との対戦も考えられる。
ダニエル・ジェイコブス
 ミドル級は、まずは3月18日のゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン/米)対ダニエル・ジェイコブス(米)の試合に注目したい。17連続KO防衛を含め36戦全勝(33KO)の3団体統一王者ゴロフキンと、33戦32勝(29KO)1敗のWBAレギュラー王者ジェイコブス。KO決着が約束されたカードといえる。体の頑丈さで勝るゴロフキンが有利ではあるが、波瀾が起こる可能性も低くはない。
サウル・アルバレス
 そのゴロフキンとの対決が期待されるWBO世界スーパーウェルター級王者サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)は、次戦を5月6日に予定している。元WBC世界ミドル級王者フリオ・セサール・チャベス・ジュニア(メキシコ)との対戦になるのか、それともWBO世界ミドル級王者ビリー・ジョー・サンダース(英)への挑戦になるのか。前者カードになった場合は村田諒太(帝拳)のサンダースへの挑戦プランが一気に前進しそうだ。ゴロフキンとアルバレスが今年上半期の試合をクリアした場合、9月には直接対決が計画されている。
ケル・ブルック
 群雄割拠の様相を呈しているウェルター級は今年、統一に向けた動きが活発化しそうだ。まずは3月4日に行われるキース・サーマン(米)対ダニー・ガルシア(米)のWBAとWBCの統一戦に注目したいが、その勝者がIBF王者との対戦に向かうというのが理想的な流れといえる。WBO王者のマニー・パッキャオ(比)は4月〜6月に次戦を行う予定で、その相手としてスーパーライト級のWBC&WBO王者テレンス・クロフォード(米)が有力候補として挙がっている。IBF王者ケル・ブルック(英)はエロール・スペンス(米)との防衛戦が課されているが、アミール・カーン(英)との対決に向かう可能性もある。各陣営のビジネス上の駆け引きにも注目したい。

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