[引退]2026.1.10
「中年の星」出田裕一が引退表明

第41代日本スーパーウェルター級王者の出田裕一(41=三迫)が7日、自身のSNSで現役引退を発表した。
2005年4月にプロデビューした出田は、持ち前の粘り強さとタフネスを武器にキャリアを積み重ね、デビューから12連勝と順調なスタートを切った。しかし、2011年8月の敗戦を境に流れが一変。引き分けを挟みながら12連敗を喫するなど、長く苦しい低迷期を経験した。
それでもリングを降りることはなかった。2022年11月、タイトル初挑戦にして日本スーパーウェルター級王座を奪取。38歳1ヶ月での戴冠は、日本王座初奪取最年長記録という快挙だった。その後、3度の防衛に成功し、名実ともに王者としてリングに立ち続けた。
昨年4月、豊嶋亮太(30=帝拳)に敗れて王座を失った一戦が、結果的に現役最後の試合となった。
豊嶋戦後は、再起を目指しジムワークを再開したものの、練習から距離を置く時期を繰り返す中で、11月末に引退を決断したという。「いろいろと悩んだが、家庭を優先しようと思った」。静かな口調で、その理由を明かした。
戦績:37戦19勝(10KO)17敗1分
「最初は、これでもう終わりなんだなと喪失感があった。今も多少はあるが、気持ち的には楽にもなった。やり切ったかどうかはわからないが、よく頑張ったなと自分で自分を褒めたい」。長い連敗のトンネルでも、心が折れることはなかった。不屈の精神で立ち上がり、ついに日本王者まで登り詰めた姿は「中年の星」とも称され、多くのファンの心をつかんだ。
最も印象に残る試合として挙げたのは、日本タイトルを獲得した川崎真琴(RK蒲田)との一戦だ。「自分だけじゃない。周りの力があってこそベルトを獲ることができた。個人の力だけでなんとかなることもあるのだろうが、気持ちの大切さを強く感じさせてくれた試合だった」。前戦で初回KO負けを喫した状況から階級を上げ、見事に攻略した内容は、出田のキャリアを象徴する一戦だった。
現在はフィットネスジムでインストラクターとして働いているが、「形はどうあれ、ボクシングに携わることができればいい」と、競技への恩返しを見据えている。
「このジムだからこそ、気持ちを作ることができ、続けて成長することができた。三迫ジムには感謝しかない」。さらに、プロボクサーの原点であるヨネクラジム(現在は閉鎖)時代から二人三脚で歩んできた横井龍一トレーナーへの感謝も忘れなかった。
12連勝から12連敗、そして38歳での日本チャンピオン。誰にも真似のできない唯一無二のキャリアだった。王者となってからも大きな目標を掲げることはなく、「今の地位をどれだけ防衛できるか。強くなりたい」と一貫して語っていた姿勢が、出田裕一というボクサーの本質を物語っている。
朴訥ながら芯が通り、言葉の一つひとつに重みがある。職人のような男らしさを感じさせるファイターが、静かにグローブを置いた。
シェアする
LINEで送る
// google adsence
if(empty($_SESSION['login'])){
//echo $googleAdsense_multiplex;
//echo $googleAdsense_infeed;
}
?>