[一夜明け会見]2025.6.9
増田陸と坪井智也がさらなる飛躍を誓う。

日本バンタム級王者の増田陸(27=帝拳)とWBOアジアパシフィック・バンタム級新王者の坪井智也(29=帝拳)が9日、東京ドームホテルで開かれた一夜明け会見で喜びと今後への意気込みを語った。
増田と坪井は、6月8日(日)に有明コロシアムで開催された「Prime Video Boxing 13」で勝利し、世界に向けて大きく前進した。
増田は、WBA(世界ボクシング協会)バンタム級11位のミシェル・バンケス(34=ベネズエラ)と対戦し、左ストレート一閃で初回KO勝ちを収め、大きなインパクトを与えた。会見に臨んだ増田は、「練習していたジャブを出すことができ、自分が追及しているスタイルを見せることができた」とノーダメージで終えた一戦に納得の表情を浮かべた。
大和心トレーナーは、「後半にいけば、このような展開(KO決着)も想定していたが、左ストレート一発で決まった。もっと見てほしかったが、相手あっての結果。良い内容だったと思う。ほかにも用意していた武器があるので、これからのお楽しみ」と評価した。
かつて元WBC世界バンタム級王者の山中慎介のトレーナーとして、一時代を築いた大和氏は、増田が山中の後継者と称されることについて、「山中とよく比較されるが、陸には陸の良さがある。左を当てるためのリード(右)を教えているが、陸の左ストレートはどの角度からでも倒せる。世界に通用すると思うので試したい。世界戦が決まれば、間違いなく一発で獲れる」と太鼓判を押した。
増田は「目の前の試合をひとつずつクリアしていき、その先に見えてくるものがある。過程を楽しんで世間の皆様を共有していきたい」と抱負を語った。激戦区バンタム級でのさらなる飛躍に向け、熱い気持ちを伝えた。
坪井はWBO(世界ボクシング機構)バンタム級15位のバン・タオ・トラン(33=ベトナム)とのWBOアジアパシフィック・バンタム級王座決定戦に臨み、ジャッジ2者がフルマークをつける完勝で、日本最速タイ記録となる2戦目での地域王座獲得を果たした。
坪井は「2戦目でタイトル挑戦のチャンスをくれたことに感謝している」と述べ、周囲からの期待をしっかり受け止めた。アマチュア時代から戦略をノートに書き出す習慣があり、「戦略を立てるのが好きで、強くなるための近道で大事なこと」と、プロ転向後もルーティーンは変わらない。
「体力的にも問題なかった」
「無理にいかず、しっかりと相手の余力を見ながらボクシングができた。変化をつけながら10ラウンド、体力的にも全く問題なく動き続けることができた」と、昨夜の試合から収穫があったとする一方で、「試合を終わらせるあと一歩が足りなかった」と、課題を挙げるのも忘れなかった。
田中繊大トレーナーは、「10ラウンド通じて足を動かして、手数も出してスタミナも問題なかったしペース配分も良かった。ただ、プロなので、もう少し無理して倒しにいっても良かったのかなと思う」と、総括した。
早くも世界に期待が高まる中、「自分がやるべきことを補っていければ、世界は近いのではないかと思う。会長や繊大トレーナーと話しながら足りないところを伸ばしていきたい」と、語った。
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